
宮崎県で働く特定技能1号の外国人3,012人のうち、建設分野は199人(約6.6%)で5番目の規模です。全国では建設分野が49,323人(12.9%)で4番目に多い分野ですが、宮崎では農業・飲食料品製造業・介護が大きく、建設の構成比は全国の半分程度にとどまっています。一方で建設分野は、受け入れる企業に「建設業許可」「建設キャリアアップシステムへの登録」「JAC(建設技能人材機構)への所属」「月給制」「国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定」といった上乗せ要件が最も多く課される分野でもあります。この記事では出入国在留管理庁の最新統計(2025年12月末)で宮崎の実態を確認したうえで、建設分野の特定技能に固有の要件と、受入計画の認定にかかる期間(1か月半〜2か月)から逆算した準備の進め方を、国土交通省・出入国在留管理庁の一次情報に沿って整理します。宮崎県内の建設会社・設備工事会社の皆さまと、建設現場で働くことを考えている外国人ご本人の両方に向けた内容です。
先に要点をまとめます。
💡 ひとことで言うと:建設分野は「入口の要件が多い」分野です。受入計画の認定に1か月半〜2か月かかるうえ、その前提となるCCUS登録やJAC加入にもそれぞれ時間がかかります。国土交通省は受入計画の申請を雇用開始予定日の概ね6か月前から受け付けており、入管への申請は就労開始希望日の2〜3か月前が目安です。採用を決めたら、まず自社が「建設業許可・CCUS事業者登録・JAC所属」の3つを満たしているかを確認し、満たしていないものから先に着手することをおすすめします。
出入国在留管理庁が公表する都道府県別・分野別統計(2025年12月末時点・速報値)によると、宮崎県の主な分野は次のとおりです。
| 分野(特定技能1号) | 宮崎県 | 県内構成比 | 全国 | 全国構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 農業 | 931人 | 30.9% | 37,952人 | 9.9% |
| 飲食料品製造業 | 707人 | 23.5% | 93,393人 | 24.4% |
| 介護 | 635人 | 21.1% | 67,871人 | 17.8% |
| 外食業 | 203人 | 6.7% | 43,869人 | 11.5% |
| 建設 | 199人 | 6.6% | 49,323人 | 12.9% |
| 漁業 | 146人 | 4.8% | 4,590人 | 1.2% |
| 工業製品製造業 | 140人 | 4.6% | 56,736人 | 14.8% |
| その他(ビルクリーニング・自動車整備等) | 51人 | 1.7% | — | — |
| 合計 | 3,012人 | — | 382,341人 | — |
全国では建設分野は飲食料品製造業・介護・工業製品製造業に次ぐ4番目に多い分野(49,323人・12.9%)です。宮崎県では第一次産業と食品製造、介護の受入れが先行しているため、建設は5位にとどまり、県内構成比6.6%は全国の構成比の約半分です。九州7県の建設分野(1号)は、福岡県1,923人、熊本県563人、鹿児島県344人、大分県277人、佐賀県229人、宮崎県199人、長崎県159人で、宮崎は九州で6番目の規模です。なお、農業・飲食料品製造業・介護の各分野については、宮崎の特定技能は農業が最多、宮崎の特定技能は飲食料品製造業が2位、宮崎の特定技能は介護が3位の各記事で解説しています。
| 市町村 | 建設分野(1号) | 県内構成比 |
|---|---|---|
| 宮崎市 | 81人 | 40.7% |
| 都城市 | 52人 | 26.1% |
| 延岡市 | 33人 | 16.6% |
| 国富町 | 12人 | 6.0% |
| 日向市 | 6人 | 3.0% |
| 門川町 | 4人 | 2.0% |
| その他(小林市・三股町・高原町・高千穂町 各2人、串間市・西都市・高鍋町 各1人) | 11人 | 5.5% |
| 宮崎県計 | 199人 | — |
農業分野(川南町・都城市など県央〜県南の農業地帯に分散)や飲食料品製造業分野(都城市に4割超が集中)と異なり、建設分野は県内の3つの都市圏(宮崎市・都城市・延岡市)に集中しています。統計上は事業所の所在地ではなく本人の住居地で集計されているため、実際の就労現場は県内各地に広がっていると考えられます。
第6表(建設分野・国籍別)によると、宮崎県の建設分野199人の国籍は、ベトナム152人(76.4%)、インドネシア20人(10.1%)、フィリピン10人(5.0%)、中国9人(4.5%)、ミャンマー4人、カンボジア2人、ブータン2人です。全国の建設分野もベトナムが30,159人(61.1%)で最多ですが、宮崎ではその比率がさらに高く、次いでインドネシア・フィリピンという順序は全国と同じです。
特定技能2号は、全国で7,955人のうち建設分野が1,799人で、飲食料品製造業(2,251人)に次いで2番目に多い分野です(第5表・2号)。建設分野は制度発足当初から2号の対象とされていた分野で、2号への移行が早くから進んでいます。宮崎県では2号30人のうち建設分野は1人(都城市)にとどまりますが、1号として在留できる期間は通算5年が上限のため、県内でも今後2号への移行を目指す方が増えていくことが見込まれます。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで整理しています。
建設分野の業務区分は、2022年(令和4年)8月30日に従来の19区分から3区分に統合されました。それぞれの区分で従事する業務は、分野別運用方針(別紙5)で次のように定められています。
| 業務区分 | 1号特定技能外国人が従事する業務 | 2号特定技能外国人が従事する業務 |
|---|---|---|
| 土木 | 指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設・改築・維持・修繕に係る作業等 | 複数の建設技能者を指導しながら同じ作業等に従事し、工程を管理 |
| 建築 | 指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築・増築・改築・移転・修繕・模様替に係る作業等 | 同上 |
| ライフライン・設備 | 指導者の指示・監督を受けながら、電気通信・ガス・水道・電気その他のライフライン・設備の整備・設置・変更・修理に係る作業等 | 同上 |
区分の統合により、例えば「建築」の区分で受け入れた方は、型枠・左官・鉄筋・内装仕上げ・建築大工など建築区分に属する複数の作業に従事できます。また、いずれの区分でも、日本人が通常従事する関連業務(作業準備・運搬・片付けなど、試験等で専門性を確認されない業務)に付随的に従事することは差し支えないとされています。ただし、労働安全衛生法に基づく特別教育や技能講習が必要な業務については、受け入れる企業がその教育・講習を修了させる必要があります。

建設分野の特定技能所属機関には、他の分野にはない要件が国土交通省告示(平成31年国土交通省告示第357号)で定められています。分野別運用方針(別紙5)と運用要領別冊に沿って整理します。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 建設業許可 | 建設業法第3条の許可を受けていること。受入計画の申請日前5年以内(および申請日以後)に建設業法に基づく監督処分を受けていないこと |
| ② 国内人材確保の取組 | ハローワークでの適正な条件による求人、既存の日本人技能者への経験に応じた処遇など。取組が確認できない場合は計画が認定されない |
| ③ 同等以上の報酬・昇給 | 同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給する契約。月給制が必須(他の職員が日給制でも特定技能外国人は月給制) |
| ④ 母国語での事前説明 | 雇用契約を締結するまでに、報酬や業務内容などの重要事項を本人が十分理解できる言語で書面を交付して説明 |
| ⑤ 建設キャリアアップシステム(CCUS)登録 | 企業(事業者登録)と受け入れる外国人(技能者登録)の両方を登録。海外から新規入国する方は入国後原則1か月以内に技能者IDを国土交通省へ提出 |
| ⑥ JACへの所属 | 特定技能外国人受入事業実施法人(一般社団法人建設技能人材機構=JAC)に、正会員である建設業者団体を通じて間接的に加入するか、賛助会員として直接加入 |
| ⑦ 常勤職員数の上限 | 1号特定技能外国人の数が、常勤の職員(技能実習生・育成就労外国人・1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないこと |
| ⑧ 受入計画の認定 | 報酬予定額・安全と技能の修得計画などを明記した「建設特定技能受入計画」について国土交通大臣の認定を受けること |
| ⑨ 受入れ後講習 | 受入れ後、国土交通大臣が指定する講習(適正就労監理機関FITSが実施・受入れ後概ね3〜6か月の間)を受講させること |
| ⑩ 履行確認・調査への協力 | 国土交通省または適正就労監理機関による計画の履行確認(巡回訪問等)や調査・指導に協力すること |
| ⑪ 実務経験の証明 | 本人の求めに応じて実務経験を証明する書面を交付すること |
このほか、特定技能外国人が下請企業に所属して現場に入る場合、元請企業が在留資格や従事状況を確認する仕組みがあり、実務上は「一号特定技能外国人建設現場入場届出書」を元請企業に提出します。受入れを開始したときは原則1か月以内に国土交通省へ受入報告を、退職時や2号への移行時にも報告を行います。
建設分野で特に注意したいのが報酬です。運用要領別冊は、季節や受注状況で仕事の繁閑があっても報酬が変動しないよう月給制(基本給・毎月固定の手当・残業代の合計を1か月単位で算定)を求め、天候による現場中止を欠勤扱いにすることは認められないとしています。また、技能実習2号修了者は概ね3年、3号修了者は概ね5年の経験者として扱い、同じ経験年数の日本人技能者と比較して報酬予定額を設定する必要があります。国土交通省の審査では、同一事業所の日本人の賃金、地域や全国の同一職種の賃金水準、既に在籍する特定技能外国人・技能実習生の賃金と比較され、低いと判断されれば引上げを指導されることがあります。同等の日本人技能者がいない場合は、就業規則・賃金規定や周辺地域の賃金統計(賃金構造基本統計調査の都道府県別「建設業」)を根拠に説明します。
建設特定技能受入計画は、新たに特定技能雇用契約を結ぶたびに認定が必要です。試験合格者を雇う場合はもちろん、技能実習先でそのまま特定技能に移行する場合、他社から転職してくる特定技能外国人を雇う場合、一度退職した方を再雇用する場合も対象です。申請は国土交通省の「外国人就労管理システム」からオンラインで行い、審査実務は地方整備局等が担います。
| 手続き | 時期・所要の目安(国土交通省公表) |
|---|---|
| 受入計画の申請開始 | 技能実習から継続して移行する方は技能実習計画の修了期日の6か月前から。それ以外の方は雇用開始予定日の概ね6か月前から |
| 受入計画の認定まで | 申請から1か月半〜2か月程度(補正期間を除く)。地方によってはさらに数か月かかることがある |
| 入管への在留申請 | 受入計画の申請後、認定前でも在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請は可能(並行申請)。ただし認定証の写しが添付書類のため、認定が出るまで入管の許可は出ない |
| 入管への申請時期 | 就労開始を希望する日の2〜3か月前が目安 |
| JAC加入・CCUS登録 | それぞれ一定の時間がかかるため、受入計画の申請前に計画的に手続き |
注意点として、就労管理システム上で申請を「引き戻し・再編集」すると、当初の申請日ではなく再申請日の順で審査が始まります。書類の不備で差し戻されるほど認定が遅れるため、賃金台帳・雇用契約書・重要事項事前説明書・同等の日本人技能者の実務経験年数を証明する書類(建設業許可申請用の実務経験証明書では代用不可)を最初から整えて申請することが、結果的に一番の近道です。

建設分野における令和6年度から5年間の1号特定技能外国人の受入れ見込数は、7万 6,000 人であり、これを令和 10 年度末までの5年間の受入れの上限として運用する。
分野別運用方針 別紙5(令和8年1月23日閣議決定)第一 2(4)イ
出入国在留管理庁の速報値(2026年6月末時点)では、建設分野の在留者数は52,132人・充足率68.6%、直近1年間の増加数は8,533人です。残りの枠は約23,900人で、現在のペースが続けば令和10年度末(2029年3月)近くには上限に接近する計算になります。分野別運用方針は「受入れ見込数を超えることが見込まれる場合」に国土交通大臣が法務大臣へ在留資格認定証明書の交付停止措置を求める仕組みを定めており、外食業分野では2026年4月13日から実際に交付が停止されています。建設分野で同様の措置が取られるかどうかは現時点で公表されていません。19分野全体の状況は特定技能の受入れ見込数|外食業98%・19分野の残り枠で整理しています。
同じ分野別運用方針は、2027年度から始まる育成就労制度についても建設分野を対象とし、令和9年度からの2年間の受入れ見込数を123,500人としています(建設分野全体では特定技能1号76,000人と合わせて199,500人)。育成就労の業務区分は特定技能と同じ3区分で、本人の意向による転籍の制限期間は2年です。理由として運用方針は、必要な技能の修得に相応の時間を要すること、工事の施工期間が1年を超えることもあること、都市部に比べて地方部の離職率が高く定着を促す必要があること、他産業より外国人の労働災害発生率が高く安全衛生教育に時間をかける必要があることを挙げています。育成就労実施者にも建設業許可・CCUS登録・常勤職員数の上限といった特定技能と同型の要件が課され、入国後講習では労働安全衛生に関する講習が必須です。育成就労制度の全体像は育成就労制度2027、宮崎の受入れ人数枠は育成就労の受入れ人数枠|宮崎は「指定区域」で最大3倍をご覧ください。
建設分野の外国人材の取組を表彰する国土交通大臣表彰「外国人材とつくる建設未来賞」については、「外国人材とつくる建設未来賞|2026年度は11月30日締切」で紹介しています。
Q1. 建設業許可を持っていない会社でも特定技能外国人を雇えますか?
A. 建設分野では建設業法第3条の許可が受入れの要件ですので、許可のない会社は受入計画の認定を受けられません。まず建設業許可の取得から検討する必要があります。
Q2. 日給制の会社ですが、特定技能外国人だけ月給制にする必要がありますか?
A. あります。運用要領別冊は、他の職員が月給制でない場合も特定技能外国人には月給制による報酬の支払を求めています。報酬の支払方法も預貯金口座への振込(またはデジタル払い)が前提です。
Q3. 技能実習生を受け入れていた会社が、修了後にそのまま特定技能で雇う場合も受入計画は必要ですか?
A. 必要です。技能実習先でそのまま継続して雇用する場合も新たに特定技能雇用契約を結ぶことになるため、国土交通大臣の認定が要ります。技能実習計画の修了期日の6か月前から申請できます。
Q4. 「建築」の区分で受け入れた外国人に、現場の後片付けや資材の運搬をさせてもよいですか?
A. 日本人が通常従事する関連業務(作業準備・運搬・片付けなど)に付随的に従事することは差し支えないとされています。ただし、専ら関連業務だけに従事させることは認められません。
Q5. 受入計画の認定が出る前に入管へ申請できますか?
A. 国土交通省への受入計画の申請後であれば、認定前でも入管への在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請は可能です。ただし認定証の写しが添付書類のため、認定が出るまで入管の許可・交付は出ません。
宮崎県の特定技能1号3,012人のうち、建設分野は199人(6.6%)で5番目、宮崎市・都城市・延岡市の3市に8割超が集中し、国籍はベトナムが4分の3を占めます。全国の構成比(12.9%)と比べると宮崎の建設分野はまだ小さく、人手不足の深刻さを考えれば伸びしろのある分野といえます。業務区分は土木・建築・ライフライン設備の3つで、外国人ご本人には区分別の1号評価試験または技能検定3級と日本語試験(建設関係の技能実習2号修了者は免除)が、企業には建設業許可・CCUS登録・JAC所属・月給制・受入計画の認定(1か月半〜2か月)・受入れ後講習といった19分野で最も多い上乗せ要件が求められます。全国の枠は充足率68.6%まで進んでおり、2027年4月からは育成就労制度でも建設分野の受入れが始まります。
当事務所は宮崎市を拠点に、宮崎県内の建設会社・設備工事会社の皆さまの特定技能受入れ(要件の確認、受入計画の認定申請に向けた書類整備、在留申請、支援計画)と、建設分野で働く外国人ご本人の在留手続の双方をお手伝いしています。
当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
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📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づいて執筆しています。在留者数は出入国在留管理庁公表の速報値(2025年12月末時点、充足率は2026年6月末時点)です。建設分野の要件、試験の名称、日本語能力水準、受入計画の審査期間は、告示・運用要領別冊の改正や国土交通省の運用により今後変更される可能性があります。実際の受入れや申請にあたっては、出入国在留管理庁・国土交通省の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市