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宮崎の特定技能は飲食料品製造業が2位|707人・協議会2〜3か月

ステンレスの作業台に白いトレーのパンと野菜、白い手袋を並べた俯瞰イメージ。宮崎の特定技能・飲食料品製造業分野を象徴。

宮崎県で働く特定技能1号の外国人3,012人のうち、2番目に多い分野は飲食料品製造業(707人・約23%)です。最多の農業(931人)に次ぐ規模で、介護(635人)を上回ります。全国では飲食料品製造業が19分野の中で最も多い分野(93,393人)で、受入れ見込数133,500人に対する充足率は2026年6月末で75.5%まで進んでいます。この記事では出入国在留管理庁の最新統計(2025年12月末)で宮崎の実態を確認したうえで、飲食料品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる際に固有の要件(対象になる事業所、従事できる業務、本人の試験、食品産業特定技能協議会への加入、2027年4月1日の業務区分の分割)を、農林水産省・出入国在留管理庁の運用要領に沿って整理します。宮崎県内の食品工場・水産加工場・スーパーのバックヤードで受入れを検討している企業の皆さまと、この分野で働くことを考えている外国人ご本人の両方に向けた内容です。

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1. 結論:宮崎の特定技能は「農業に次いで飲食料品製造業」、協議会の審査に2〜3か月かかる

先に要点をまとめます。

  • 2025年(令和7年)12月末時点の宮崎県内の特定技能1号在留者は3,012人。分野別では農業931人に次いで飲食料品製造業707人が2番目に多く、全体の23.5%を占めます(出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」第5表)。市町村別では都城市が295人で県内の4割超を占めます。
  • 受け入れられるのは、日本標準産業分類で「食料品製造業」などの10区分に主として該当する事業所に限られます。スーパーマーケットのバックヤード(食料品製造を行うもの)やセントラルキッチンは対象ですが、酒類製造業や飲食料品の卸売業・一般の小売業は対象外です。
  • 外国人ご本人には「飲食料品製造業特定技能1号評価試験」+「日本語試験(JLPT N4以上またはJFT-Basic A2.2相当以上)」の合格が必要です。惣菜製造やパン製造など対象職種の技能実習2号を良好に修了していれば試験は免除されます。この分野には特定技能2号もあり、2号評価試験の合格と2年以上の管理等実務経験が要件です。
  • 受け入れる企業は、在留申請の前に「食品産業特定技能協議会」の構成員になる必要があります。農林水産省によれば、加入審査には2〜3か月を要します(会費は当面無料)。このほか、キャリアアッププランの書面交付、実務経験証明書面の交付、直接雇用(派遣不可)といった上乗せ要件があります。
  • 🆕 2027年(令和9年)4月1日から、業務区分「飲食料品製造業全般」が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に切り分けられます。試験も区分ごとに分かれ、2027年3月31日までに現行試験に合格した方は新試験に合格したものとみなされます。

💡 ひとことで言うと:飲食料品製造業分野は「入口の広さ」と「協議会の待ち時間」が特徴です。対象事業所の範囲が広く、技能実習からの移行ルートも多い一方、協議会の加入審査に2〜3か月かかるため、受入れを決めてから逆算して動くと在留申請のタイミングに間に合わないことがあります。受入れを検討し始めた段階で、自社の事業所が対象区分に当たるかの確認と協議会への加入申請を先に進めておくことをおすすめします。

2. 数字で見る宮崎の特定技能・飲食料品製造業(2025年12月末)

2-1. 分野別:飲食料品製造業は農業に次ぐ2番目

出入国在留管理庁が公表する都道府県別・分野別統計(2025年12月末時点・速報値)によると、宮崎県の主な分野は次のとおりです。

分野(特定技能1号)宮崎県県内構成比全国全国構成比
農業931人30.9%37,952人9.9%
飲食料品製造業707人23.5%93,393人24.4%
介護635人21.1%67,871人17.8%
外食業203人6.7%43,869人11.5%
建設199人6.6%49,323人12.9%
漁業146人4.8%4,590人1.2%
工業製品製造業140人4.6%56,736人14.8%
その他(ビルクリーニング・自動車整備等)51人1.7%——
合計3,012人—382,341人—
出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和7年12月末)」第5表。構成比は当事務所計算。

全国では飲食料品製造業が19分野の中で最も在留者数が多い分野(93,393人・24.4%)です。宮崎県では農業が突出しているため2位ですが、県内構成比23.5%は全国の構成比とほぼ同じ水準で、宮崎においても飲食料品製造業は特定技能の主要な受け皿になっています。なお、農業分野と介護分野については、それぞれ宮崎の特定技能は農業が最多、宮崎の特定技能・介護分野の記事で解説しています。

2-2. 市町村別:都城市が県内の4割超

市町村飲食料品製造業(1号)同市町村の特定技能1号 全分野
都城市295人716人
日向市91人161人
宮崎市88人738人
川南町55人189人
新富町33人60人
西都市28人113人
小林市24人188人
門川町19人37人
延岡市13人168人
都農町12人28人
出典:同第5表(上位10市町村を抜粋)。

都城市の295人は県内の飲食料品製造業707人の41.7%に当たり、宮崎市(88人)の3倍以上です。日向市は特定技能1号161人のうち91人が飲食料品製造業で、分野としては市内で最も多くなっています。統計は業種の内訳(食肉加工・水産加工・惣菜など)までは示していませんが、県内の飲食料品製造業の特定技能は宮崎市よりも都城・県北の生産拠点に集中していることが読み取れます。

2-3. 国籍別:ベトナムとインドネシアで4分の3

宮崎県の飲食料品製造業707人の国籍・地域別の内訳は、ベトナム294人(41.6%)、インドネシア231人(32.7%)、フィリピン86人(12.2%)、カンボジア45人(6.4%)、ミャンマー40人(5.7%)、中国11人(1.6%)です(第6表・飲食料品製造業分野)。上位2か国で74.3%を占めます。全国の同分野ではベトナムが59.3%、インドネシアが21.0%で、宮崎はインドネシアの比率が全国より高いのが特徴です。

2-4. 九州各県との比較と特定技能2号

九州7県の飲食料品製造業(1号)は、福岡県4,299人、鹿児島県1,888人、熊本県1,326人、佐賀県860人、宮崎県707人、長崎県510人、大分県283人です。宮崎は九州で5番目の規模です。

特定技能2号は、全国で7,955人のうち飲食料品製造業が2,251人と全分野で最も多く(第5表・2号)、宮崎県では2号30人のうち飲食料品製造業は1人です(農業27人・建設1人・外食業1人)。宮崎の2号はまだ農業に偏っていますが、全国的には飲食料品製造業が2号への移行が最も進んでいる分野であり、県内でも今後増えていくことが見込まれます。

3. 対象になる事業所・ならない事業所(日本標準産業分類の10区分)

飲食料品製造業分野の特定技能外国人を雇用できるのは、特定技能外国人が働く事業所が、日本標準産業分類(令和5年総務省告示第256号)のうち主として次のいずれかを行っている場合に限られます(農林水産省告示第2条・運用要領別冊第3)。

区分日本標準産業分類備考
①中分類09 食料品製造業食肉加工、水産加工、惣菜、菓子、パン、冷凍食品など製造業の中核
②小分類101 清涼飲料製造業
③小分類103 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
④小分類104 製氷業
⑤小分類583 食肉小売業食料品製造を行うものに限る
⑥細分類5621 総合スーパーマーケット食料品製造を行うものに限る
⑦細分類5811 食料品スーパーマーケット食料品製造を行うものに限る
⑧細分類5861 菓子小売業(製造小売)
⑨細分類5863 パン小売業(製造小売)
⑩細分類5896 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る
出典:運用要領別冊「飲食料品製造業分野の基準について」第3(令和8年8月28日一部改正)。

運用要領別冊は、対象になる形態・ならない形態を次のように整理しています。

  • 対象になる:飲食料品の卸売業者・小売業者の専用工場(プロセスセンター)、外食業事業者の集中調理施設(セントラルキッチン・給食センター)など、独立した事業所で飲食料品の製造・加工を営むもの。スーパーマーケットについては、青果物加工・鮮魚加工・食肉加工・ベーカリー製造・惣菜製造などの食料品製造が行われている事業所。製造請負であっても、主として上記の産業分類に掲げるものを行っている事業所。
  • 対象にならない:酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、飲食料品卸売業、上記⑥を除く各種商品小売業、上記⑤・⑦〜⑩を除く飲食料品小売業、ペットフード等の飼料製造業。小売業を営む事業所が店内の一区画で製造・加工を行う場合も、主要な経済活動が製造・加工ではないため対象外です。箱詰めや荷役などの付随業務のみを行っている場合や、人材派遣の場合も対象外です。

ここでいう「事業所」は、単一の経営主体が一区画を占め、人と設備を有して継続的に行っているものを指し、複数の産業分類に当たる活動を行っている場合は直近の売上高で最も大きな割合を占める活動で産業を決めます。自社が対象に当たるかどうか判断に迷う場合は、協議会への加入申請をする前に農林水産省へ問い合わせるよう運用要領別冊が求めています。

ステンレスの作業台に白いトレーとまな板、無地のラベルの瓶を並べた俯瞰イメージ。飲食料品製造業分野の対象事業所と衛生管理を象徴。

4. 従事できる業務:製造・加工が中心、「選別・包装だけ」は不可

1号特定技能外国人が従事する業務は、現行の業務区分「飲食料品製造業全般」=飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保です。運用要領別冊は「製造・加工」を「原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等」と定義しており、単なる選別、包装(梱包)のみの作業は製造・加工に当たりません。「安全衛生の確保」とは、使用する機械の安全確認、作業者の衛生管理など、業務上の安全衛生と食品衛生の確保に係る業務をいいます。

これらの業務に従事する日本人が通常行う関連業務(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理の作業)に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事することは認められません。また、総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットに該当する事業所では、関連業務としても販売業務に従事することは認められない点に注意が必要です(協議会加入時に、販売業務に従事させない旨の誓約書の提出が求められます)。

2号特定技能外国人は、上記の製造・加工の業務に加えて、複数の技能者を指導しながら衛生管理・安全衛生管理・品質管理・納期管理・コスト管理・従業員管理・原材料管理などに従事します。事業所責任者(工場長等)が行う管理業務を補助することを前提に、役職等が与えられた上で従事することが求められます。

5. 外国人ご本人の要件:試験・日本語・技能実習からの移行

5-1. 特定技能1号

  • 技能:「飲食料品製造業特定技能1号評価試験」の合格。この試験は、食品等を衛生的に取り扱う基本的な知識があり、特段の育成・訓練を受けることなく直ちにHACCP(ハサップ。原材料の受入れから最終製品までの工程ごとに危害要因を分析し、重要な工程を継続的に監視・記録する衛生管理の手法)に沿った衛生管理に対応できるレベルであることを認定するものです。試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施し、学習用テキストが公開されています。
  • 日本語:日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2.2相当以上。
  • 技能実習2号からの移行:次の職種・作業の技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験・日本語試験とも免除されます。飲食料品製造業=缶詰巻締、食鳥処理加工業、牛豚食肉処理加工業(牛豚部分肉製造・牛豚精肉商品製造)、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、そう菜製造業、農産物漬物製造業。水産加工業=水産加工食品製造業、水産練り製品製造。免除を受けるには、技能実習2号修了時の技能検定3級またはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書(合格していない場合は、実習実施者が作成した技能等の修得状況を評価した文書)が必要です。
  • 他の職種の技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験の合格は必要ですが、日本語試験は当面の間免除されます。

5-2. 特定技能2号

  • 技能:「飲食料品製造業特定技能2号評価試験」の合格。
  • 実務経験:自らの業務区分において、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験2年以上。「複数の従業員」とは2名以上の技能実習生・アルバイト従業員・特定技能外国人等をいい、指導を受ける側は日本人を含み国籍を問いません。「工程を管理する者」は担当部門長・ライン長・班長などの役職であることが必要で、辞令や職務命令書など客観的に証明する書類で役職を命じることが求められます。
  • 日本語:日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)。2027年4月1日以降は「日本語教育の参照枠」B1相当以上が求められますが、その取扱いは別途案内される予定です。

6. 受け入れる企業の上乗せ要件:協議会・キャリアアッププラン・直接雇用

飲食料品製造業分野の特定技能所属機関には、全分野に共通する要件(雇用契約の基準、支援計画、届出など)に加えて、告示と運用要領別冊で次の条件が課されています。

6-1. 食品産業特定技能協議会への加入(在留申請の前に・審査2〜3か月)

特定技能所属機関は、農林水産省・関係業界団体・登録支援機関等で構成される「食品産業特定技能協議会」(飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で設置)の構成員になり、協議会や農林水産省が行う調査・情報共有等に協力しなければなりません。加入は当該外国人に係る在留諸申請の前に行う必要があります。農林水産省のご案内によれば、加入の手順とポイントは次のとおりです。

  • 加入申請ガイドを確認のうえ、Webの加入申請フォームから申請 → 数日中に事務局からメールが届く → 必要書類をPDF等で添付して返信 → 承認後、加入証がメールで送付される。
  • 必要書類(受入れ機関・飲食料品製造業分野):①飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第13-1号)、②行動規範に係る誓約書(協議会規約別紙様式)、③営業許可証の写し。総合スーパー・食料品スーパーに該当する場合は、販売業務に従事させない旨の誓約書(入会規程別紙1)も必要です。
  • 審査には2〜3か月を要します。必要書類の送付後、審査開始まで数週間程度、加入証の発行までは最終的に2〜3か月程度とされ、順番の前倒しは原則行われません。
  • 会費:当面の間、入会金・年会費等は徴収されません。2人目以降の受入れの際に改めて加入申請する必要はありません。
  • 1号特定技能外国人支援計画の実施を登録支援機関に委託する場合は、その登録支援機関も協議会の構成員であり、農林水産省・協議会に協力する機関でなければなりません(登録支援機関は在留諸申請の前に加入が必要)。

6-2. キャリアアッププランの書面交付・実務経験証明書面の交付

特定技能所属機関は、特定技能外国人と雇用契約を締結する前に、キャリアアッププランのイメージ(想定されるキャリアルート、各レベルの業務内容と習熟の目安となる年数、レベルアップに必要な経験・資格、処遇向上など)をあらかじめ設定し、書面(電磁的記録でも可)を交付して説明しなければなりません。また、特定技能外国人から求めがあったときは、実務経験を証明する書面を交付する義務があります。いずれも行わない場合は基準に適合せず、特定技能外国人の受入れができないことになります。実務経験証明は、本人が将来2号評価試験を受験する際の管理等実務経験の証明に直結するため、2号への道筋を考える上でも重要です。

6-3. 直接雇用のみ(労働者派遣は不可)

飲食料品製造業分野の特定技能外国人は直接雇用に限られ、特定技能外国人を派遣することも、派遣された者を受け入れることもできません。派遣し、または派遣された者を受け入れた場合は、虚偽文書の行使等に該当するものとして、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります(運用要領別冊第5)。農業分野には派遣形態が認められているため、農業と食品加工の両方を営む事業者は特に混同しないよう注意が必要です。

無地の書類フォルダと砂時計、ペンを並べた俯瞰イメージ。食品産業特定技能協議会の加入審査に2〜3か月かかることを象徴。

7. 🆕 2027年4月1日から業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれます

2026年(令和8年)1月23日に閣議決定された新しい分野別運用方針では、飲食料品製造業分野の業務区分と試験が次のように再編されます。現行の区分と試験は、経過措置として2027年(令和9年)3月31日まではなお従前の例によるとされています。

2027年3月31日まで2027年4月1日から
業務区分(1号・2号)飲食料品製造業全般①飲食料品製造業(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保)
②水産加工業(水産加工品の製造・加工および安全衛生の確保)
1号の技能試験飲食料品製造業特定技能1号評価試験①飲食料品製造業特定技能1号評価試験
②水産加工業特定技能1号評価試験
2号の技能試験飲食料品製造業特定技能2号評価試験①飲食料品製造業特定技能2号評価試験
②水産加工業特定技能2号評価試験
2号の日本語JLPT N3以上(B1相当)「日本語教育の参照枠」B1相当以上(取扱いは別途案内)
出典:分野別運用方針 別紙15(令和8年1月23日閣議決定)第二・第四・別表1〜2、運用要領別冊「経過措置」。

実務上のポイントは次の3点です。

  • 現行試験の合格は無駄になりません。2027年3月31日までに飲食料品製造業特定技能1号評価試験(旧称:技能測定試験)に合格した方は、新区分の飲食料品製造業特定技能1号評価試験と水産加工業特定技能1号評価試験のいずれにも合格したものとみなされます(2号も同様)。
  • 技能実習2号を良好に修了した方は、移行後も両方の業務区分で従事でき、転職も可能です。2027年4月1日以降も当分の間、試験免除の扱いは続きます。
  • 水産加工業の区分で採用する場合は、キャリアパスの説明がより丁寧に求められます。雇用契約を締結する際に、転職できる範囲(原則として同一の業務区分内に限ること等)を含むキャリアパスや待遇について説明し、同意を得る必要があることが協議会で定められています。水産加工を行う事業所は、来年4月以降の採用時にこの点を確認しておく必要があります。

8. 全国の枠:見込数133,500人に対して充足率75.5%(2026年6月末)

飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人の受入れ見込数は、令和6年度から令和10年度までの5年間で133,500人とされ、これが受入れの上限として運用されます。出入国在留管理庁の速報値(2026年6月末)では在留者数100,769人、充足率75.5%、直近1年間の増加数は16,698人です。単純計算では残りの枠は約32,700人で、同じ増加ペースが続けば2年程度で見込数に達する計算になります。

同じ協議会に属する外食業分野では、充足率が上限に近づいたことを受けて2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されました(詳細は特定技能「外食業」受入停止の影響と対応策)。飲食料品製造業分野で同様の措置が取られるかどうかは現時点で公表されていませんが、分野別運用方針は「受入れ見込数を超えることが見込まれる場合」に交付停止措置を取り得る仕組みを定めています。19分野全体の状況は特定技能の受入れ見込数|外食業98%・19分野の残り枠で整理しています。

飲食料品製造業分野における令和6年度から5年間の1号特定技能外国人の受入れ見込数は 13 万 3,500 人であり、これを令和 10 年度末までの5年間の受入れの上限として運用する。

分野別運用方針 別紙15(令和8年1月23日閣議決定)第一 2(4)イ

9. 外国人ご本人と企業の人事ご担当者が、いま確認すべきこと

9-1. 外国人ご本人へ

  • 技能実習の職種が上記の免除対象に当たるかを、修了時の技能検定・評価試験の合格証明書で確認する。対象外の職種でも、日本語試験は免除されるので、技能試験だけを受ければ移行できます。
  • 2027年4月以降に採用される場合は、自分の区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」のどちらかを雇用契約の前に確認し、転職できる範囲の説明を受ける。
  • 2号を目指すなら、班長・ライン長などの役職を辞令で受け、実務経験証明書面を勤務先に求める。日本語はN3以上(2027年4月以降はB1相当)を計画的に準備する。

9-2. 企業の人事ご担当者へ

  • 事業所の産業分類を確認する。登記事項証明書・定款・決算書類・保健所長の営業許可の写しなど、協議会が求め得る書類で「主として」対象産業を行っていることを説明できるようにしておく。
  • 協議会の加入申請を最初に動かす。審査2〜3か月は在留申請の前に必要な時間です。採用内定 → 協議会加入 → 在留申請の順で逆算し、登録支援機関に委託する場合はその機関の加入状況も確認する。
  • キャリアアッププランの書面を雇用契約前に用意する。任意様式ですが、レベルごとの業務内容・年数の目安・処遇向上を含めます。実務経験証明書面の様式も併せて整えておくと2号移行時に慌てません。
  • 直接雇用を徹底する。派遣会社経由の受入れは不可で、違反時は5年間の受入れ停止という重い結果になります。
  • 全国の枠の動向を見る。充足率75.5%・年間約1.7万人増というペースを前提に、複数年の採用計画を立てる。

10. よくあるご質問(FAQ)

Q1. スーパーの惣菜コーナーで働く特定技能外国人を雇えますか?
A. 食料品製造を行っている総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットの事業所であれば、惣菜製造やベーカリー製造などの製造業務に従事させることができます。ただし、レジ・品出しなどの販売業務には関連業務としても従事させることができず、協議会加入時にその旨の誓約書を提出します。

Q2. 製品の仕分け・箱詰めだけを担当させることはできますか?
A. できません。単なる選別・包装(梱包)のみの作業は「製造・加工」に当たらず、専ら関連業務に従事させることも認められていません。製造・加工の工程に主として従事することが前提です。

Q3. 協議会に加入していない登録支援機関に支援を委託できますか?
A. できません。1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する登録支援機関も、協議会の構成員であり、農林水産省・協議会に協力する機関である必要があります。委託先を選ぶ際は加入証の有無を確認してください。

Q4. 農業分野の特定技能外国人に、繁忙期だけ自社の加工場を手伝わせることはできますか?
A. 在留資格「特定技能」は分野と業務区分を指定して許可されるため、農業分野で許可された方を飲食料品製造業分野の業務に従事させることは原則できません。農産物の加工が農業分野の関連業務の範囲内かどうかは個別の判断になりますので、事前にご相談ください。

Q5. 今年中に現行の1号評価試験に合格した場合、2027年4月以降はどうなりますか?
A. 2027年3月31日までに現行試験に合格した方は、新区分の「飲食料品製造業」と「水産加工業」の両方の1号評価試験に合格したものとみなされます。あらためて受験する必要はありません。

11. まとめ:宮崎の食品製造は特定技能の第2の柱、協議会の2〜3か月を織り込んで準備を

宮崎県の特定技能1号3,012人のうち、飲食料品製造業は707人(23.5%)で農業に次ぐ2番目の規模であり、都城市に4割超が集中しています。受け入れられる事業所は日本標準産業分類の10区分に主として該当するものに限られ、選別・包装だけの業務やスーパーでの販売業務には従事させられません。外国人ご本人には1号評価試験と日本語試験(対象職種の技能実習2号修了者は免除)が、企業には食品産業特定技能協議会への加入(審査2〜3か月・在留申請前)、キャリアアッププランの書面交付、実務経験証明、直接雇用が求められます。2027年4月1日からは業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれ、水産加工で採用する際はキャリアパスの丁寧な説明が必要になります。全国の枠は充足率75.5%まで進んでおり、複数年の採用計画には枠の動向も織り込んでおく必要があります。

当事務所は宮崎市を拠点に、宮崎県内の食品製造業・水産加工業・スーパーマーケットの皆さまの特定技能受入れ(対象事業所の確認、協議会加入、在留申請、支援計画)と、この分野で働く外国人ご本人の在留手続の双方をお手伝いしています。


当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。

  • 飲食料品製造業分野の対象事業所の確認と食品産業特定技能協議会の加入手続
  • 特定技能1号の在留資格認定証明書交付申請・変更申請の取次
  • 技能実習から特定技能への移行、2027年4月の業務区分分割への備え
  • 特定技能2号への移行を見据えたキャリアアッププラン・実務経験証明の整備

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本記事は2026年9月時点の公開情報に基づいて執筆しています。在留者数は出入国在留管理庁公表の速報値(2025年12月末時点、充足率は2026年6月末時点)です。飲食料品製造業分野の要件、試験の名称、日本語能力水準、協議会の審査期間は、運用要領別冊や告示の改正、協議会の運営状況により今後変更される可能性があります。実際の受入れや申請にあたっては、出入国在留管理庁・農林水産省の公式情報または当事務所までご確認ください。

本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市

出典(一次情報)

  • 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」第5表・第6表(令和7年12月末) https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html
  • 出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」(分野別情報・2026年9月4日現在) https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/foodandbeverages.html
  • 法務省・農林水産省ほか「飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(別紙15・令和8年1月23日閣議決定) https://www.moj.go.jp/isa/content/001466926.pdf
  • 法務省・農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-」(令和8年8月28日一部改正) https://www.moj.go.jp/isa/content/001469694.pdf
  • 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値)」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001465883.pdf
  • 農林水産省「食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について」 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/kyougikai.html
  • 農林水産省「飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について」 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/tokuteiginou.html

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