
宮崎県で働く特定技能1号の外国人3,012人のうち、2番目に多い分野は飲食料品製造業(707人・約23%)です。最多の農業(931人)に次ぐ規模で、介護(635人)を上回ります。全国では飲食料品製造業が19分野の中で最も多い分野(93,393人)で、受入れ見込数133,500人に対する充足率は2026年6月末で75.5%まで進んでいます。この記事では出入国在留管理庁の最新統計(2025年12月末)で宮崎の実態を確認したうえで、飲食料品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる際に固有の要件(対象になる事業所、従事できる業務、本人の試験、食品産業特定技能協議会への加入、2027年4月1日の業務区分の分割)を、農林水産省・出入国在留管理庁の運用要領に沿って整理します。宮崎県内の食品工場・水産加工場・スーパーのバックヤードで受入れを検討している企業の皆さまと、この分野で働くことを考えている外国人ご本人の両方に向けた内容です。
先に要点をまとめます。
💡 ひとことで言うと:飲食料品製造業分野は「入口の広さ」と「協議会の待ち時間」が特徴です。対象事業所の範囲が広く、技能実習からの移行ルートも多い一方、協議会の加入審査に2〜3か月かかるため、受入れを決めてから逆算して動くと在留申請のタイミングに間に合わないことがあります。受入れを検討し始めた段階で、自社の事業所が対象区分に当たるかの確認と協議会への加入申請を先に進めておくことをおすすめします。
出入国在留管理庁が公表する都道府県別・分野別統計(2025年12月末時点・速報値)によると、宮崎県の主な分野は次のとおりです。
| 分野(特定技能1号) | 宮崎県 | 県内構成比 | 全国 | 全国構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 農業 | 931人 | 30.9% | 37,952人 | 9.9% |
| 飲食料品製造業 | 707人 | 23.5% | 93,393人 | 24.4% |
| 介護 | 635人 | 21.1% | 67,871人 | 17.8% |
| 外食業 | 203人 | 6.7% | 43,869人 | 11.5% |
| 建設 | 199人 | 6.6% | 49,323人 | 12.9% |
| 漁業 | 146人 | 4.8% | 4,590人 | 1.2% |
| 工業製品製造業 | 140人 | 4.6% | 56,736人 | 14.8% |
| その他(ビルクリーニング・自動車整備等) | 51人 | 1.7% | — | — |
| 合計 | 3,012人 | — | 382,341人 | — |
全国では飲食料品製造業が19分野の中で最も在留者数が多い分野(93,393人・24.4%)です。宮崎県では農業が突出しているため2位ですが、県内構成比23.5%は全国の構成比とほぼ同じ水準で、宮崎においても飲食料品製造業は特定技能の主要な受け皿になっています。なお、農業分野と介護分野については、それぞれ宮崎の特定技能は農業が最多、宮崎の特定技能・介護分野の記事で解説しています。
| 市町村 | 飲食料品製造業(1号) | 同市町村の特定技能1号 全分野 |
|---|---|---|
| 都城市 | 295人 | 716人 |
| 日向市 | 91人 | 161人 |
| 宮崎市 | 88人 | 738人 |
| 川南町 | 55人 | 189人 |
| 新富町 | 33人 | 60人 |
| 西都市 | 28人 | 113人 |
| 小林市 | 24人 | 188人 |
| 門川町 | 19人 | 37人 |
| 延岡市 | 13人 | 168人 |
| 都農町 | 12人 | 28人 |
都城市の295人は県内の飲食料品製造業707人の41.7%に当たり、宮崎市(88人)の3倍以上です。日向市は特定技能1号161人のうち91人が飲食料品製造業で、分野としては市内で最も多くなっています。統計は業種の内訳(食肉加工・水産加工・惣菜など)までは示していませんが、県内の飲食料品製造業の特定技能は宮崎市よりも都城・県北の生産拠点に集中していることが読み取れます。
宮崎県の飲食料品製造業707人の国籍・地域別の内訳は、ベトナム294人(41.6%)、インドネシア231人(32.7%)、フィリピン86人(12.2%)、カンボジア45人(6.4%)、ミャンマー40人(5.7%)、中国11人(1.6%)です(第6表・飲食料品製造業分野)。上位2か国で74.3%を占めます。全国の同分野ではベトナムが59.3%、インドネシアが21.0%で、宮崎はインドネシアの比率が全国より高いのが特徴です。
九州7県の飲食料品製造業(1号)は、福岡県4,299人、鹿児島県1,888人、熊本県1,326人、佐賀県860人、宮崎県707人、長崎県510人、大分県283人です。宮崎は九州で5番目の規模です。
特定技能2号は、全国で7,955人のうち飲食料品製造業が2,251人と全分野で最も多く(第5表・2号)、宮崎県では2号30人のうち飲食料品製造業は1人です(農業27人・建設1人・外食業1人)。宮崎の2号はまだ農業に偏っていますが、全国的には飲食料品製造業が2号への移行が最も進んでいる分野であり、県内でも今後増えていくことが見込まれます。
飲食料品製造業分野の特定技能外国人を雇用できるのは、特定技能外国人が働く事業所が、日本標準産業分類(令和5年総務省告示第256号)のうち主として次のいずれかを行っている場合に限られます(農林水産省告示第2条・運用要領別冊第3)。
| 区分 | 日本標準産業分類 | 備考 |
|---|---|---|
| ① | 中分類09 食料品製造業 | 食肉加工、水産加工、惣菜、菓子、パン、冷凍食品など製造業の中核 |
| ② | 小分類101 清涼飲料製造業 | |
| ③ | 小分類103 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く) | |
| ④ | 小分類104 製氷業 | |
| ⑤ | 小分類583 食肉小売業 | 食料品製造を行うものに限る |
| ⑥ | 細分類5621 総合スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| ⑦ | 細分類5811 食料品スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| ⑧ | 細分類5861 菓子小売業(製造小売) | |
| ⑨ | 細分類5863 パン小売業(製造小売) | |
| ⑩ | 細分類5896 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業 | 豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る |
運用要領別冊は、対象になる形態・ならない形態を次のように整理しています。
ここでいう「事業所」は、単一の経営主体が一区画を占め、人と設備を有して継続的に行っているものを指し、複数の産業分類に当たる活動を行っている場合は直近の売上高で最も大きな割合を占める活動で産業を決めます。自社が対象に当たるかどうか判断に迷う場合は、協議会への加入申請をする前に農林水産省へ問い合わせるよう運用要領別冊が求めています。

1号特定技能外国人が従事する業務は、現行の業務区分「飲食料品製造業全般」=飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保です。運用要領別冊は「製造・加工」を「原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等」と定義しており、単なる選別、包装(梱包)のみの作業は製造・加工に当たりません。「安全衛生の確保」とは、使用する機械の安全確認、作業者の衛生管理など、業務上の安全衛生と食品衛生の確保に係る業務をいいます。
これらの業務に従事する日本人が通常行う関連業務(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理の作業)に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事することは認められません。また、総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットに該当する事業所では、関連業務としても販売業務に従事することは認められない点に注意が必要です(協議会加入時に、販売業務に従事させない旨の誓約書の提出が求められます)。
2号特定技能外国人は、上記の製造・加工の業務に加えて、複数の技能者を指導しながら衛生管理・安全衛生管理・品質管理・納期管理・コスト管理・従業員管理・原材料管理などに従事します。事業所責任者(工場長等)が行う管理業務を補助することを前提に、役職等が与えられた上で従事することが求められます。
飲食料品製造業分野の特定技能所属機関には、全分野に共通する要件(雇用契約の基準、支援計画、届出など)に加えて、告示と運用要領別冊で次の条件が課されています。
特定技能所属機関は、農林水産省・関係業界団体・登録支援機関等で構成される「食品産業特定技能協議会」(飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で設置)の構成員になり、協議会や農林水産省が行う調査・情報共有等に協力しなければなりません。加入は当該外国人に係る在留諸申請の前に行う必要があります。農林水産省のご案内によれば、加入の手順とポイントは次のとおりです。
特定技能所属機関は、特定技能外国人と雇用契約を締結する前に、キャリアアッププランのイメージ(想定されるキャリアルート、各レベルの業務内容と習熟の目安となる年数、レベルアップに必要な経験・資格、処遇向上など)をあらかじめ設定し、書面(電磁的記録でも可)を交付して説明しなければなりません。また、特定技能外国人から求めがあったときは、実務経験を証明する書面を交付する義務があります。いずれも行わない場合は基準に適合せず、特定技能外国人の受入れができないことになります。実務経験証明は、本人が将来2号評価試験を受験する際の管理等実務経験の証明に直結するため、2号への道筋を考える上でも重要です。
飲食料品製造業分野の特定技能外国人は直接雇用に限られ、特定技能外国人を派遣することも、派遣された者を受け入れることもできません。派遣し、または派遣された者を受け入れた場合は、虚偽文書の行使等に該当するものとして、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります(運用要領別冊第5)。農業分野には派遣形態が認められているため、農業と食品加工の両方を営む事業者は特に混同しないよう注意が必要です。

2026年(令和8年)1月23日に閣議決定された新しい分野別運用方針では、飲食料品製造業分野の業務区分と試験が次のように再編されます。現行の区分と試験は、経過措置として2027年(令和9年)3月31日まではなお従前の例によるとされています。
| 2027年3月31日まで | 2027年4月1日から | |
|---|---|---|
| 業務区分(1号・2号) | 飲食料品製造業全般 | ①飲食料品製造業(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保) ②水産加工業(水産加工品の製造・加工および安全衛生の確保) |
| 1号の技能試験 | 飲食料品製造業特定技能1号評価試験 | ①飲食料品製造業特定技能1号評価試験 ②水産加工業特定技能1号評価試験 |
| 2号の技能試験 | 飲食料品製造業特定技能2号評価試験 | ①飲食料品製造業特定技能2号評価試験 ②水産加工業特定技能2号評価試験 |
| 2号の日本語 | JLPT N3以上(B1相当) | 「日本語教育の参照枠」B1相当以上(取扱いは別途案内) |
実務上のポイントは次の3点です。
飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人の受入れ見込数は、令和6年度から令和10年度までの5年間で133,500人とされ、これが受入れの上限として運用されます。出入国在留管理庁の速報値(2026年6月末)では在留者数100,769人、充足率75.5%、直近1年間の増加数は16,698人です。単純計算では残りの枠は約32,700人で、同じ増加ペースが続けば2年程度で見込数に達する計算になります。
同じ協議会に属する外食業分野では、充足率が上限に近づいたことを受けて2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されました(詳細は特定技能「外食業」受入停止の影響と対応策)。飲食料品製造業分野で同様の措置が取られるかどうかは現時点で公表されていませんが、分野別運用方針は「受入れ見込数を超えることが見込まれる場合」に交付停止措置を取り得る仕組みを定めています。19分野全体の状況は特定技能の受入れ見込数|外食業98%・19分野の残り枠で整理しています。
飲食料品製造業分野における令和6年度から5年間の1号特定技能外国人の受入れ見込数は 13 万 3,500 人であり、これを令和 10 年度末までの5年間の受入れの上限として運用する。
分野別運用方針 別紙15(令和8年1月23日閣議決定)第一 2(4)イ
Q1. スーパーの惣菜コーナーで働く特定技能外国人を雇えますか?
A. 食料品製造を行っている総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットの事業所であれば、惣菜製造やベーカリー製造などの製造業務に従事させることができます。ただし、レジ・品出しなどの販売業務には関連業務としても従事させることができず、協議会加入時にその旨の誓約書を提出します。
Q2. 製品の仕分け・箱詰めだけを担当させることはできますか?
A. できません。単なる選別・包装(梱包)のみの作業は「製造・加工」に当たらず、専ら関連業務に従事させることも認められていません。製造・加工の工程に主として従事することが前提です。
Q3. 協議会に加入していない登録支援機関に支援を委託できますか?
A. できません。1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する登録支援機関も、協議会の構成員であり、農林水産省・協議会に協力する機関である必要があります。委託先を選ぶ際は加入証の有無を確認してください。
Q4. 農業分野の特定技能外国人に、繁忙期だけ自社の加工場を手伝わせることはできますか?
A. 在留資格「特定技能」は分野と業務区分を指定して許可されるため、農業分野で許可された方を飲食料品製造業分野の業務に従事させることは原則できません。農産物の加工が農業分野の関連業務の範囲内かどうかは個別の判断になりますので、事前にご相談ください。
Q5. 今年中に現行の1号評価試験に合格した場合、2027年4月以降はどうなりますか?
A. 2027年3月31日までに現行試験に合格した方は、新区分の「飲食料品製造業」と「水産加工業」の両方の1号評価試験に合格したものとみなされます。あらためて受験する必要はありません。
宮崎県の特定技能1号3,012人のうち、飲食料品製造業は707人(23.5%)で農業に次ぐ2番目の規模であり、都城市に4割超が集中しています。受け入れられる事業所は日本標準産業分類の10区分に主として該当するものに限られ、選別・包装だけの業務やスーパーでの販売業務には従事させられません。外国人ご本人には1号評価試験と日本語試験(対象職種の技能実習2号修了者は免除)が、企業には食品産業特定技能協議会への加入(審査2〜3か月・在留申請前)、キャリアアッププランの書面交付、実務経験証明、直接雇用が求められます。2027年4月1日からは業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれ、水産加工で採用する際はキャリアパスの丁寧な説明が必要になります。全国の枠は充足率75.5%まで進んでおり、複数年の採用計画には枠の動向も織り込んでおく必要があります。
当事務所は宮崎市を拠点に、宮崎県内の食品製造業・水産加工業・スーパーマーケットの皆さまの特定技能受入れ(対象事業所の確認、協議会加入、在留申請、支援計画)と、この分野で働く外国人ご本人の在留手続の双方をお手伝いしています。
当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📩 お問い合わせはこちら
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づいて執筆しています。在留者数は出入国在留管理庁公表の速報値(2025年12月末時点、充足率は2026年6月末時点)です。飲食料品製造業分野の要件、試験の名称、日本語能力水準、協議会の審査期間は、運用要領別冊や告示の改正、協議会の運営状況により今後変更される可能性があります。実際の受入れや申請にあたっては、出入国在留管理庁・農林水産省の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市