
「在留資格が家族滞在で、在留カードに『就労不可』と書いてある。パートでもダメなのか」――当事務所にも、ご本人からもパート先の店長さんからも、この問いがよく届きます。結論から言うと、「就労不可」の表示は「家族滞在という在留資格そのものには働く活動が含まれていない」という意味であって、「一切働けない」という意味ではありません。あらかじめ「資格外活動許可」を受ければ、原則として週28時間以内でパート・アルバイトができます。反対に、許可を受けないまま働き始めると、たとえ短時間でもご本人の違反になり、雇った側にも責任が及びます。この記事では、在留カードのどこを見れば「働けるか」が分かるのか(2026年6月から交付が始まった新様式の在留カード・特定在留カードを含む)、週28時間の数え方、申請の手続、そしてパート先の人事ご担当者・店長さんが採用時に確認すべき手順を、出入国在留管理庁の一次情報と入管法の条文に沿って整理します。
先に要点をまとめます。
💡 ひとことで言うと:「就労不可」=「許可を取ってから働く」と読み替えてください。許可は無料で申請書1枚、標準処理期間は2週間〜2か月です。パート先が決まる前でも申請できるので、働きたいと思った時点で早めに申請しておくのが、ご本人にとっても雇う側にとっても最も安全です。
「家族滞在」は、就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能2号、経営・管理など)や「留学」で在留する方に扶養される配偶者・子のための在留資格です。入管法の別表第一の四の表は、その活動を「一の表、二の表又は三の表の上欄の在留資格(外交、公用、特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)、技能実習及び短期滞在を除く。)をもつて在留する者又はこの表の留学の在留資格をもつて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」と定めています。
つまり、家族滞在の「本来の活動」は日常生活であって、働くことは含まれていません。在留カードの「就労制限の有無」欄は、この在留資格の性質をそのまま表示しているにすぎません。同じ欄が「就労制限なし」になるのは、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者といった別表第二の在留資格の方で、こうした方は資格外活動許可そのものが不要です(出入国在留管理庁は、別表第二の在留資格の方は「就労活動に制限がないため、資格外活動許可の対象ではありません」と説明しています)。
家族滞在の制度全体(要件・必要書類・配偶者ビザとの違い・高校卒業後の進路)は、「家族滞在ビザの要件と就労制限」で解説していますので、本記事では「券面の読み方」と「働き始めるまでの手順」に絞ります。
「就労不可」は「働くと違反」ではなく「許可を取ってから働く」のサイン。許可を受けても表面の表示は変わらず、裏面に許可の要旨が加わります。
出入国在留管理庁は、資格外活動許可を受けていることを確認する際には、証印シール(パスポートに貼付)または資格外活動許可書の確認と併せて、在留カードの裏面も確認するよう求めています。中長期在留者に交付される在留カードの裏面には、資格外活動許可を受けている場合にその許可の要旨が記載され、カードに内蔵するICチップにも書き込まれるためです。
ここで注意したいのが、2026年6月14日から在留カードの様式が変わったことです。同日以降に交付されるカードは「新様式の在留カード」と、マイナンバーカードの機能が付いた「特定在留カード」の2種類になり、それ以前の様式のカードも引き続き有効です。つまり、今は3種類のカードが並存しています。それぞれ、どこを見ればよいかを整理します。
| カードの種類 | 表面「就労制限の有無」 | 資格外活動許可の記載 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 従来様式(2026年6月13日以前に交付) | 「就労不可」 | 裏面の「資格外活動許可欄」に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」の趣旨で記載 | 出入国在留管理庁の裏面見本のとおり。ICチップにも記録 |
| 新様式の在留カード(2026年6月14日以降) | 「就労不可」 | 券面に「資格外活動許可を受けているときはその旨」が記載される | 在留期間・許可の種類・許可年月日・交付年月日は券面に載らず、ICチップに記録 |
| 特定在留カード(マイナンバーカード一体型) | 「就労不可」 | 券面に「資格外活動許可を受けているときはその旨」が記載される | 裏面にマイナンバーが記載される。券面記載事項は新様式と同じ |
新様式の在留カード・特定在留カードについて、出入国在留管理庁は「氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間の満了日、在留カードの番号、在留カードの有効期限満了日、就労制限の有無及び資格外活動許可を受けているときはその旨」が券面に記載されると説明しています。「就労制限の有無」と「資格外活動許可を受けているときはその旨」は、新様式でも券面で確認できるということです。一方、券面から消えた「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」は、2026年8月19日にリリースされた「在留カード等読取アプリケーション」の新バージョンでICチップから確認できるようになりました(「交付年月日」は改修後も表示されません)。特定在留カードはマイナンバーカードの機能を持つため、デジタル庁の「対面確認アプリ」(現時点でiOS版のみ)でも在留期間等を読み取れます。
許可を受ける前は、表面に「就労不可」とあるだけで、資格外活動許可の記載はありません。この状態で働き始めると、本人の意図にかかわらず入管法第19条第1項の違反になります。「パート先が決まってから申請しよう」ではなく、「申請して許可を受けてから勤務を始める」という順序を守ってください。

家族滞在の包括許可は「1週について28時間以内」が上限です。誤解の多いポイントを整理します。
| 論点 | 取扱い(出入国在留管理庁の案内) |
|---|---|
| 上限 | 1週について28時間以内(包括許可) |
| 掛け持ち | 複数のアルバイト先がある場合には、その合計が週28時間以内でなければなりません |
| 長期休業中 | 「教育機関の長期休業期間にあっては、1日について8時間以内」は「留学」の資格外活動許可の取扱い。家族滞在の案内にこの特例はなく、年間を通じて週28時間以内 |
| 「週40時間」 | 出入国在留管理庁の案内にこの基準は出てきません。留学の「1日8時間」を日数で掛け合わせた誤解と考えられます |
| 働ける場所 | 風俗営業等が営まれている営業所で行う活動は許可の対象外(許可欄にも「風俗営業等の従事を除く」と記載) |
| 働き方 | 雇用契約で従事する時間が明確な仕事、または個人事業主として配達等を受注する活動でも稼働時間を客観的に確認できるものは包括許可の範囲。稼働時間を客観的に確認することが困難な場合は個別許可が必要 |
28時間を超えて働きたい場合(例:週30時間の契約社員)は、包括許可では足りません。家族滞在の方の個別許可は、資格外活動許可の一般原則に適合し、かつ「当該活動に従事する期間が、決定されている在留資格に係る在留期間の過半を超えないこと」が要件とされ、活動内容・活動時間・報酬等を説明する文書が必要です。さらに、活動内容や契約内容からみて在留目的が実質的に変わっていると判断される場合は、資格外活動許可ではなく在留資格変更許可の手続が必要になると案内されています。配偶者が正社員として本格的に働きたいのであれば、「技術・人文知識・国際業務」など就労系の在留資格への変更を検討する場面です。
なお、包括許可と個別許可の違い、28時間の数え方の細部、フードデリバリーや業務委託の扱いは「資格外活動許可とは|週28時間の数え方と申請手続」で詳しく解説しています。
🧭 ご家族のアルバイト・パートが週28時間の範囲に収まるかは、無料ツール「資格外活動ナビ」で在留資格と働き方を選ぶだけで目安を確認できます。
家族滞在の方の包括許可の申請は、手続としては軽い部類です。ただし時間がかかることがあるので、働きたい時期から逆算して早めに動いてください。
| 項目 | 内容(2026年9月時点の出入国在留管理庁の案内) |
|---|---|
| 根拠 | 入管法第19条第2項 |
| 申請先 | 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(宮崎県内の方は福岡出入国在留管理局宮崎出張所) |
| 必要書類(包括許可) | 資格外活動許可申請書 1通のみ(在留カード・旅券を提示) |
| 手数料 | かかりません |
| 標準処理期間 | 2週間〜2か月 |
| 不服申立方法 | なし |
| オンライン申請 | 可能。ただし在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請・在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限る |
| 包括と個別の両方 | 両方の許可を受けることも、片方を持っている方が追加で申請することも可能 |
家族滞在の在留期間更新許可申請をするときに、資格外活動許可申請を同時に出しておくと、オンライン申請も使え、更新の許可と同時に資格外活動許可も受けられます。当事務所では、扶養者の在留申請と併せてご家族の資格外活動許可を同時に整えるケースが多くあります。「今はまだ働かないが、いずれパートに出るかもしれない」という方も、更新の機会に申請しておくと、働きたいときにすぐ動けます。
高度専門職の方の配偶者など、「外国人の扶養を受ける配偶者若しくは子又はそれに準ずる者として行う日常的な活動」を指定されて「特定活動」で在留する方は、原則として家族滞在の取扱いに準じると案内されています。券面に「就労不可」とある場合の考え方は同じです。
家族滞在の方をパート・アルバイトで採用する側には、確認に近い実務上の責任があります。入管法第73条の2は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者を3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(併科あり)に処すると定め、同条第2項は、その外国人が資格外活動許可を受けていないことなどを知らないことを理由として処罰を免れることができないとしています。ただし書きで「過失のないときは、この限りでない」とされているため、在留カードの両面をきちんと確認していたかどうかが分かれ目になります。脅すための条文ではありませんが、確認を採用フローに組み込んでおけば、店側もご本人も守られます。
採用時の確認手順は次のとおりです。
入管法第19条の2の就労資格証明書で活動の範囲を確認する方法もありますが、同条第2項は、行うことができる活動が明らかな場合に、この文書を提示・提出しないことを理由として不利益な取扱いをしてはならないと定めています。在留カードの裏面で許可が確認できるなら、提出を採用の条件にしないでください。
外国人を雇用したときのハローワークへの届出(外国人雇用状況の届出)や、中小企業が整えるべき在留カード確認の全体像は「外国人雇用の注意点|中小企業の届出と在留カード」を参照してください。

許可を受けずに働いた場合、または許可の範囲を超えて働いた場合のリスクを、条文に沿って整理します。「少しオーバーしただけ」と「専ら働いている」では法的な重さがまったく違います。
| 誰に | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| ご本人 | 入管法第19条第3項 | 許可に付された条件に違反した場合などは、資格外活動許可を取り消すことができる |
| ご本人 | 入管法第22条の4第1項第5号 | 在留資格に応じた活動を行っておらず、他の活動を行っている場合(正当な理由がある場合を除く)は在留資格の取消しの対象 |
| ご本人 | 入管法第73条 | 第19条第1項に違反して報酬を受ける活動を行った者は1年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金(併科あり) |
| ご本人 | 入管法第70条第1項第4号 | 第19条第1項に違反して報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(併科あり)。退去強制の対象にもなる |
| 雇う側 | 入管法第73条の2 | 事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(併科あり)。知らなかったことを理由に免れないが、過失がないときはこの限りでない |
実務上、最初に現実化しやすいのは刑罰ではなく、次回の在留期間更新で不利に扱われることです。家族滞在の方の更新は扶養者の在留とも連動するため、ご家族全体の在留に影響が及ぶこともあります。だからこそ「許可を受けてから働く」「28時間を合計で守る」の2点が大切です。
Q1. 在留カードに「就労不可」とあります。パートは一切できないのですか?
A. いいえ。「就労不可」は家族滞在という在留資格に働く活動が含まれていないことを示す表示です。あらかじめ資格外活動許可(包括許可)を受ければ、週28時間以内でパート・アルバイトができます。許可を受けても表面の表示は変わらず、裏面(新様式では券面の該当箇所)に許可の要旨が記載されます。
Q2. 許可の申請にお金はかかりますか。何を用意すればよいですか?
A. 出入国在留管理庁は「手数料はかかりません」と明記しています。家族滞在の包括許可の必要書類は申請書1通のみで、在留カードと旅券を提示します。標準処理期間は2週間〜2か月です。
Q3. 夏休みなど長い休みの間は、家族滞在でも1日8時間働けますか?
A. いいえ。長期休業期間中に1日について8時間以内まで認められる取扱いは「留学」の在留資格の方についてのものです。家族滞在の方は、休暇期間中であっても1週について28時間以内が上限です。
Q4. 2か所でパートをしています。それぞれ28時間まで働けますか?
A. いいえ。出入国在留管理庁は、複数のアルバイト先がある場合にはその合計が週28時間以内でなければならないと案内しています。勤務先ごとではなく、合計で管理してください。
Q5. 家族滞在の子どもが高校生です。アルバイトはできますか?
A. 資格外活動許可を受ければ週28時間以内で可能です。高校卒業後に日本でフルタイムで働きたい場合は、家族滞在のままでは足りず、「定住者」や「特定活動」への変更という道があります。「家族滞在ビザの要件と就労制限」の§6で解説しています。
Q6. 配偶者が正社員として週40時間働きたいと言っています。個別許可で対応できますか?
A. 個別許可は「活動に従事する期間が在留期間の過半を超えないこと」が要件で、在留目的が実質的に変わると判断される場合は在留資格変更許可の手続が必要と案内されています。フルタイムで継続的に働くなら、就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)への変更を検討する場面です。学歴・職務内容との対応関係が要件になるため、早めにご相談ください。
Q7. 2026年6月以降の新しい在留カードには、裏面に許可欄がありますか?
A. 新様式の在留カード・特定在留カードでは「就労制限の有無」と「資格外活動許可を受けているときはその旨」が券面に記載されると出入国在留管理庁は説明しています。位置は従来様式と異なる場合がありますが、券面で確認できます。券面に載らなくなった在留期間・許可の種類・許可年月日は、2026年8月19日版以降の在留カード等読取アプリケーションで確認できます。詳細は「新様式在留カードの在留期間確認方法」と「特定在留カードと第二世代在留カードの違い」を参照してください。
家族滞在の在留カードの「就労不可」は、在留資格の性質を示す表示であって、働く道を閉ざすものではありません。あらかじめ資格外活動許可(包括許可)を受ければ、週28時間以内でパート・アルバイトができ、許可の要旨は裏面の「資格外活動許可欄」(新様式・特定在留カードでは券面の該当箇所)に記載されます。申請は無料・申請書1通、標準処理期間は2週間〜2か月で、在留期間の更新と同時に出しておくのが実務の定石です。28時間は掛け持ちの合計で数え、長期休業中の1日8時間の特例は留学生だけです。雇う側は、表面の在留資格と満了日、裏面の許可の有無、掛け持ちの合計時間を採用時に確認し、記録を残してください。「知らなかった」は防御になりませんが、両面確認と時間管理をフローに組み込めば、ご本人も店側も守られます。
当事務所は宮崎市を拠点に、家族滞在の方の資格外活動許可申請(在留期間更新との同時申請を含む)、扶養者の在留申請、就労系の在留資格への変更のご相談と、パート・アルバイト先の企業様の在留カード確認体制づくりの双方をお手伝いしています。
💴 費用の目安=家族滞在の認定・変更・更新のサポート料金は「料金表」に掲載しています(初回相談はオンラインで60分まで無料)。資格外活動許可の申請自体に入管の手数料はかかりません。また、ご家族がアルバイト・パートで働けるか、週28時間の範囲に収まるかは、無料ツール「資格外活動ナビ」で在留資格と働き方を選ぶだけで目安を確認できます。
当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
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📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づいて執筆しています。資格外活動許可の要件・必要書類・標準処理期間、在留カードの券面記載事項や読取アプリケーションの仕様は、今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市