
在留資格「特定技能1号」には、通算で原則5年以内という在留期間の上限があります。制度の開始から年数が経ち、「あと何年働けるのか」「産休や病気で休んだ期間も5年に入るのか」というご相談が増えています。
出入国在留管理庁は、通算在留期間について、数える期間と数えない期間、そして特定技能2号の試験に合格点の8割以上で届かなかった方が6年まで在留できる取扱いを、1つのページにまとめて公表しています。本記事では、その内容を外国人ご本人と受入企業のご担当者の双方に向けて整理します。ポイントは、数えない期間も6年の延長も「自動」ではなく、期限内の申請が必要という点です。
通算在留期間とは、「特定技能1号」として日本に在留した期間を合計したものです。出入国在留管理庁は、次の期間も通算在留期間に含まれると案内しています。
| 区分 | 期間の例 | 5年に含まれるか |
|---|---|---|
| 1号で在留している期間 | 働いている期間 | 含まれる |
| 1号で在留している期間 | 転職活動中など、働いていない期間 | 含まれる |
| 出国していた期間 | 再入国許可・みなし再入国許可による一時帰国など | 含まれる |
| 1号へ移る準備の期間 | 1号への移行を希望する場合の在留資格「特定活動」の期間 | 含まれる |
| 申請により除外できる期間 | やむを得ない事情で再入国できなかった期間 | 含まれない(申請が必要) |
| 申請により除外できる期間 | 産前産後休業・育児休業の期間 | 含まれない(申請が必要) |
| 申請により除外できる期間 | 病気・けがによる休業の期間 | 含まれない(申請が必要) |
💡 ポイント:一時帰国の期間も、1号へ移る前の「特定活動」の期間も、5年に入ります。「日本で働いていた期間だけを数える」わけではない点に注意が必要です。

次の3つの期間も、「特定技能1号」の在留資格そのものは続いています。ただし、5年の通算在留期間には含まれないため、この取扱いを受けたい場合は、5年の満了3か月前から満了までに、その期間に応じた在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請を、疎明資料を付けて行います。疎明資料から期間が確認でき、在留を認める相当の理由があるときに限り許可されます。
再入国許可(みなし再入国許可を含む)で出国したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための上陸拒否の措置など、やむを得ない事情で日本に戻れなかった期間が対象です。主な提出資料は次のとおりです。
労働基準法にもとづく産前産後休業(産前6週間〔多胎妊娠は14週間〕・産後8週間)と、育児・介護休業法にもとづく育児休業の期間が対象です。育児休業は原則として子が1歳に達するまでで、保育所などに入れない場合に限り1歳6か月まで(再延長で2歳まで)とされています。産前産後休業から続けて育児休業に入った場合は、両方を取得したことを示す資料を付けて申請します。
病気・けがによる休業は、原則1年以下(労災による病気・けがの場合は3年以下)であることが前提です。また、連続して1か月を超える休業である必要があり、数日間の自宅療養や、断続的な通院で業務ができない日がある、といった場合は対象外とされています。
⚠️ 注意:休業していたことを後から証明するのは簡単ではありません。休業の始まりと終わりが分かる書類は、休業が決まった時点から会社とご本人の双方で保管しておくことをおすすめします。

特定技能2号の試験に不合格となった方のうち、次の要件をすべて満たす方は、「5年を超えて在留することに相当の理由がある」場合にあたり、通算在留期間が6年となります。
申請時期は、ほかの取扱いと同じく5年の満了3か月前から満了までです。主な提出資料は、在留期間更新許可申請の書類、通算在留期間を超える在留に関する申立書(参考様式第1-31号)、そして合格基準点の8割以上であることが確認できる試験結果通知書の写しです。介護分野では、厚生労働省が発行する結果確認通知書も必要です。
どの試験の結果通知書が使えるかは、分野ごとに定められています。出入国在留管理庁のページに掲げられている主な内容は次のとおりです。
| 分野 | 8割以上の得点が必要な試験・検定(主なもの) | 主な注記 |
|---|---|---|
| 介護 | 介護福祉士国家試験 | 発行方法は厚生労働省のページで確認 |
| ビルクリーニング | 2号評価試験、または技能検定1級 | 評価試験は発行日2025年7月31日以降、技能検定1級は発行日2026年3月31日以降が対象 |
| 工業製品製造業 | 2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級、または技能検定1級(機械保全) | 機械保全以外の技能検定1級は検討中 |
| 建設 | 2号評価試験 | 受験日2025年12月1日以降が対象。技能検定1級は検討中 |
| 造船・舶用工業 | 2号試験 | 受験日2026年4月以降が対象。技能検定1級は検討中 |
| 自動車整備 | 2号評価試験 | 発行日2026年1月以降または受験日2026年4月以降が対象。整備士技能検定2級は対象外 |
| 航空 | 2号評価試験(空港グランドハンドリング) | 航空機整備は現在対象外 |
| 宿泊 | 2号評価試験 | 発行日2026年4月30日以降が対象 |
| 農業 | 2号農業技能測定試験 | 受験日2025年6月以前は再発行されたものが対象 |
| 漁業 | 2号漁業技能測定試験と日本語能力試験(N3以上) | 測定試験は受験日2025年8月7日以降が対象 |
| 飲食料品製造業 | 2号技能測定試験 | 発行日2025年6月30日以降が対象 |
| 外食業 | 2号技能測定試験と日本語能力試験(N3以上) | 発行日2025年6月30日以降が対象 |
出入国在留管理庁は、「現在対象外」とされている試験については、8割以上の得点を証明できないため、現時点では6年の対象ではないとしています。対象は試験実施機関の準備が整い次第、随時公表されます。
💡 ポイント:この取扱いは、あくまで2号の試験に合格するための1年です。2号の日本語要件は、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から「B1相当以上」とされ、在留資格変更・更新の扱いは検討中です(詳しくは「特定技能の日本語B1|2027年4月の認定申請から必要」)。延長された期間で、技能と日本語の両方の準備を進めることが大切です。
3章の「数えない期間」の取扱いも、4章の6年の取扱いも、5年の通算在留期間が満了する3か月前から満了するまでに申請します。満了日を過ぎてからでは、この取扱いを求めることはできないと考えて準備してください。在留期間の更新そのものの準備の進め方は、「在留期間の更新はいつ申請?45日前が目安」も参考になります。
自分の通算在留期間を確かめたいときは、申請人の出入国記録を取り寄せて計算する方法があります。出入国記録の開示請求をするときは、請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と書くよう案内されています。
ただし、出入国記録は出入国歴や在留資格、許可年月日などを記載したもので、通算在留期間を計算した結果が書かれているわけではありません。また、地方出入国在留管理局の窓口や電話では、通算在留期間の計算を含め、出入国記録に関する問合せは受け付けていないとされています。計算はご自身や受入企業、依頼を受けた専門家が行うことになります。
| 確認の手段 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 出入国記録の開示請求 | 出入国歴・在留資格・許可年月日を確認できる | 余白に「通算在留期間の確認のため」と記載。計算結果は載らない |
| 在留カード・パスポート | 現在の在留期間や出入国の記録を確認できる | 1号で在留した期間の合計は自分で計算が必要 |
| 入管の窓口・電話 | — | 通算在留期間の算定に関する問合せは受け付けていない |
1号で在留して数年たった方
産休・育休や、病気・けがで長く休んだことがある方
2号の試験を受けたが不合格だった方
1号と2号の違いそのものについては、「特定技能1号と2号の違い|2026年最新の対象分野も解説」をご覧ください。
入ります。出入国在留管理庁は、「特定技能1号」で在留中の就労していない期間も通算在留期間に含まれると案内しています。
再入国許可(みなし再入国許可を含む)による出国の期間は、原則として通算在留期間に含まれます。上陸拒否の措置など、やむを得ない事情で再入国できなかった期間に限り、申請により含めない取扱いがあります。
自動的には差し引かれません。5年の満了3か月前から満了までに、休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)や母子健康手帳の写しなどの疎明資料を付けて申請し、許可を受ける必要があります。
可能性があります。ただし、2号への移行に必要な全ての試験等で8割以上であること、ご本人の誓約、受入企業の雇用継続の意思と支援体制が必要です。また、その試験の結果通知書が対象とされているか(発行日・受験日の条件を含む)を、出入国在留管理庁のページで確認してください。
できません。出入国在留管理庁は、地方出入国在留管理局の窓口や電話では、通算在留期間の算定を含め出入国記録に関する問合せを受け付けていないとしています。出入国記録の開示請求を行い、その内容から計算する方法が案内されています。
💴 費用の目安:特定技能の在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請などのサポート料金は「料金表」に掲載しています。
当事務所は、宮崎県宮崎市の行政書士法人として、特定技能をはじめとする在留手続をお手伝いしています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づいて執筆しています。通算在留期間の取扱いや、6年の対象となる試験・結果通知書の条件は、出入国在留管理庁のページで随時更新される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市