
出入国在留管理庁は2026年8月4日、在留資格「特定技能2号」の在留期間に「5年」を追加する省令改正案を公表し、意見公募手続(パブリックコメント)を実施しました。意見の受付は2026年9月3日に終了し、現在は結果の公示を待つ段階です。公布・施行は2027年1月上旬の予定です。一見すると「在留期間が延びて有利になる改正」に見えますが、改正案の趣旨には永住許可の要件との「均衡」が明記されており、永住許可を目指す方にとってはむしろ要件が実質的に引き上がる側面があります。この記事では、外国人ご本人と企業の人事ご担当者の両方の視点で、入管庁の一次情報にもとづいて整理します。
特定技能制度そのものの全体像は「特定技能1号と2号の違い」で、永住許可の要件は「永住許可の要件と必要書類」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
今回の改正案は、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和56年法務省令第54号)別表第2を改正し、在留資格「特定技能2号」に伴う在留期間を改めるものです。出入国在留管理庁が公表した「改正の概要」には、次のように記載されています。
「特定技能2号」の在留資格に伴う在留期間について、3年、2年、1年又は6月に加え、5年を定める。
出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)」(令和8年8月)
つまり、既存の区分(3年・2年・1年・6月)はそのまま残り、そこに「5年」という選択肢が上乗せされるという改正です。既存の区分が廃止されるわけではありません。
なお、この改正は在留期間の区分を定めるものであり、個々の申請でどの期間が指定されるかは、審査の結果によって個別に決まります。改正されれば全員が自動的に5年になる、というものではない点にご注意ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改正対象 | 出入国管理及び難民認定法施行規則 別表第2 |
| 根拠条項 | 入管法第2条の2第3項、同施行規則第3条 |
| 案件番号 | 315000139(意見公募手続) |
| 意見公募期間 | 2026年8月4日〜2026年9月3日0時(受付終了) |
| 所管 | 出入国在留管理庁 |
現行の在留期間と、改正案による在留期間を並べると次のとおりです。参考として、他の就労を目的とする在留資格も併記します。
| 在留資格 | 現行の在留期間 | 改正案 |
|---|---|---|
| 特定技能2号 | 3年、2年、1年又は6月 | 5年、3年、2年、1年又は6月 |
| 特定技能1号 | 法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲) | 改正なし |
| 技術・人文知識・国際業務 | 5年、3年、1年又は3月 | 改正なし |
| 介護 | 5年、3年、1年又は3月 | 改正なし |
この表から分かるとおり、特定技能2号は、他の就労を目的とする在留資格の中で「最長が3年」という例外的な位置にありました。今回の改正案は、この差を埋めるものです。
💡 補足:特定技能1号との違い
特定技能1号には通算5年という在留期間の上限があり、この点は今回の改正の対象ではありません。特定技能2号にはこの通算上限がなく、更新を重ねて在留を継続できる点が1号との大きな違いです。

ここが今回の改正案で最も重要なポイントです。報道では「在留期間が延びる」「永住への道が開ける」という文脈で紹介されることがありますが、入管庁が示した改正の趣旨は、やや異なる方向を向いています。改正案の「改正の趣旨」には、次の趣旨が記載されています。
つまり、「特定技能2号の永住要件が他の資格より緩くなっていた状態を是正する」という動機が、明示的に含まれているということです。
永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)では、国益適合要件の一つとして次の要件が挙げられています。
現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(令和8年2月24日改訂)
この要件は「その在留資格の中で最長の期間を持っていること」を求めるものです。ここで、現行制度を当てはめると次のようになります。
同じ「最長の在留期間」という要件でありながら、特定技能2号の方は3年で足りていた——これが入管庁のいう「緩やか」の意味です。改正によって特定技能2号の最長が5年になれば、この要件を満たすために求められる在留期間も3年から5年へと実質的に引き上がることになります。
もう一つ、あわせて押さえておきたいのが、永住許可ガイドラインに置かれている経過的取扱いです。
同ガイドラインの注記では、令和9年(2027年)3月31日までの間、在留期間「3年」を有する場合は「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととされています。さらに、令和9年3月31日の時点で在留期間「3年」を有する方については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り同様に取り扱うものとされています。
そして、令和9年(2027年)4月1日からは、この「3年」を最長とみなす取扱いを改め、各在留資格の最長の在留期間をもって在留していることを要件とする、とされています。
| 時期 | 特定技能2号の最長 | 永住要件との関係 |
|---|---|---|
| 現在(2026年8月) | 3年 | 3年を有していれば要件を満たす |
| 2027年1月上旬(公布・施行の予定) | 5年(改正案) | 経過的取扱いにより、当分の間は3年でも可 |
| 2027年3月31日まで | 5年 | 「3年」を最長とみなす取扱いが継続 |
| 2027年4月1日以降 | 5年 | みなし取扱いが改められる |
この2つの動きが重なるため、2027年4月1日を境に、特定技能2号の方が永住許可を申請する際の在留期間のハードルが変わり得るという点は、実務上とくに注意が必要です。
⚠️ いずれもガイドラインおよび改正案にもとづく整理であり、個別の審査は事案ごとに判断されます。ここで述べたのは要件の一つに関する整理であって、これを満たせば永住が許可されるという趣旨ではありません。
特定技能2号で在留している方、これから2号への移行を目指す方にとっての影響を整理します。
永住許可には、在留期間の要件のほかにも、素行善良要件、独立生計要件、公的義務(納税・年金・健康保険等)の適正な履行など、複数の要件があります。在留期間だけを見て判断しないことが大切です。
受入れ企業の視点では、次の点が実務に関わってきます。
企業側で特に重要なのは、「在留期間が延びる=永住しやすくなる」と単純化して案内しないことです。誤った案内は、従業員の申請計画に影響を与えかねません。

改正案は意見公募を終えた段階で、まだ確定していません。現時点でできることを、優先度順に整理します。
改正案では、公布の日が2027年1月上旬、施行期日は公布の日とされています。ただし、これは現時点の予定であり、意見公募の結果や今後の手続によって変わる可能性があります。
いいえ。在留期間は在留期間更新許可申請などの審査を経て、個別に指定されます。改正によって「5年」という選択肢が加わるということであり、既に在留している方の期間が自動的に書き換わるものではありません。
今回の改正案の対象は特定技能2号のみです。特定技能1号の通算5年という上限についても、今回の改正では触れられていません。
その逆の側面があります。永住許可の要件の一つに「その在留資格の最長の在留期間をもって在留していること」があるため、最長が5年になると、この要件を満たすために求められる期間も5年に上がる方向です。改正の趣旨にも「他の就労資格に比して緩やかとならないように均衡を図る」と記載されています。
永住許可に関するガイドラインの経過的取扱いでは、令和9年3月31日までの間は在留期間「3年」を最長とみなすとされています。ただし、永住許可には他にも複数の要件があり、在留期間の要件だけで結論は出ません。個別の事情を踏まえた検討をおすすめします。
意見公募手続は広く一般から意見を募るものですが、この案件では2026年9月3日0時に受付が終了しています。提出方法や様式などの詳細は、e-Govの該当案件ページに掲載された「意見募集要領」をご確認ください。
要件を満たせば、他の在留資格への変更を申請すること自体は可能です。ただし、変更後の在留資格の該当性・基準適合性を満たす必要があります。個別の事情によって可否が変わるため、事前のご相談をおすすめします。
特定技能2号の在留期間に「5年」を追加する省令改正案は、2026年8月4日に公表され、2026年9月3日に意見公募が終了しました。公布・施行は2027年1月上旬の予定です。
在留期間が延びること自体は、更新負担の軽減や生活の安定につながる前向きな変更です。一方で、改正の趣旨には永住許可の要件との均衡が明記されており、永住を目指す方にとっては、求められる在留期間が実質的に引き上がる側面があります。さらに、永住許可ガイドラインの経過的取扱いが2027年4月1日に見直される予定であることとあわせて考えると、申請のタイミングが結果を左右し得る局面です。
制度の動きを正確に把握し、ご自身やご家族、従業員の方の計画に落とし込むことが大切です。判断に迷う場面では、早めに専門家にご相談ください。育成就労制度など今後の受入れ制度全体の動きは「育成就労制度とは|2027年4月開始」でも解説しています。
当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
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ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や施行時期は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市