
日本と外国の国籍を持つ方(重国籍の方)が外国の国籍を選び、日本国籍を離脱したあとも日本で暮らし続ける場合、日本国籍を離脱した日から30日以内に、出入国在留管理局へ「在留資格取得許可申請」をする必要があります(出入国管理及び難民認定法〔以下、入管法〕第22条の2)。日本国籍を離れた時点で、その方は日本の法律上「外国人」になり、日本に住むための在留資格が必要になるためです。本記事では、日本国籍を失う場合の整理、国籍離脱届と国籍喪失届の期限、そして日本に住み続けるための在留資格の取得までを、法務省・出入国在留管理庁(以下、入管庁)の公式情報に沿って、外国人ご本人(元日本人の方)とご家族、雇用している企業のご担当者に向けて説明します。
法務省の国籍Q&Aは、日本国籍を失う場合として次のものを挙げています。日本国籍を失う理由によって、「いつ失うか」と「どの届出が必要か」が違います。
| 日本国籍を失う理由 | 根拠 | 日本国籍を失う時点 | 主な届出 |
|---|---|---|---|
| 自分の意思で外国の国籍を取得した(外国に帰化した等) | 国籍法第11条第1項 | 外国の国籍を取得したとき(自動的に失う) | 国籍喪失届(戸籍法第103条) |
| 外国の法令に従って、その国の国籍を選択した | 国籍法第11条第2項 | 外国の国籍を選択したとき(自動的に失う) | 国籍喪失届(戸籍法第103条) |
| 法務大臣に日本国籍を離脱する届出をした | 国籍法第13条 | 国籍離脱届をした時 | 国籍離脱届(法務局・地方法務局等) |
| 外国で生まれ、出生により外国の国籍も取得した子が、日本国籍を留保しなかった | 国籍法第12条 | 出生の時にさかのぼって失う | (出生から3か月以内の国籍留保の届出をしなかった場合) |
| 国籍選択の催告を受けて1か月以内に日本国籍を選択しなかった | 国籍法第15条第3項 | 催告を受けた日から1か月が過ぎた時 | — |
このうち、日本に住みながら外国の国籍を選ぶ方が使うことの多い手続が、国籍法第13条の「国籍離脱届」です。日本と外国の重国籍の方は、重国籍になった時が18歳に達する以前なら20歳に達するまでに、18歳に達した後ならその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければなりません(国籍法第14条第1項)。外国の国籍を選ぶ方法は、日本国籍の離脱(第13条)か、外国の法令による外国国籍の選択(第11条第2項)です。国際結婚で生まれたお子さまがどのような場合に重国籍になるかは、国際結婚の子の出生届と国籍留保で解説しています。
💡 ポイント:国籍法第11条の場合は「届け出たときに失う」のではなく、外国の国籍を取得・選択した時点で自動的に日本国籍を失います。日本国籍を失ったことに気づかないまま過ごしてしまうことがないよう、外国の国籍を取得する前に、日本の国籍がどうなるかを確認しておくことが大切です。
法務省の「国籍離脱の届出」のページによると、手続の要点は次のとおりです。
法務省の国籍Q&Aは、少なくとも日本国籍以外の国籍を持っていることが確認できる書類が必要であること、離脱の効果は離脱した本人だけに生じ、配偶者や子などの家族には及ばないことも説明しています。また、届出の要件を備え、手続が適法である限り、届出の時に日本国籍を離脱したことになります(国籍法第13条第2項)。
外国に帰化した場合(国籍法第11条第1項)や、外国の法令によりその国の国籍を選択した場合(同条第2項)は、日本国籍を自動的に失います。このときは、本人、配偶者または四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1か月以内(届け出る人がその事実を知った日に国外にいるときは、その日から3か月以内)に国籍喪失届をしなければなりません(戸籍法第103条)。届書には、国籍喪失の原因と年月日、新たに取得した外国の国籍を書き、国籍喪失を証する書面を添付します。法務省の国籍Q&Aは、外国の法令で外国国籍を選択した場合の提出先を、市区町村役場または外国にある日本の大使館・領事館と案内しています。
宮崎地方法務局の案内では、宮崎県内にお住まいの方の国籍(帰化、国籍取得等)に関する相談や申請等は、宮崎地方法務局 戸籍課(宮崎市別府町・宮崎法務総合庁舎2階)の1か所で取り扱っています。相談は予約制で、事前に電話で予約するよう案内されています。都城支局・延岡支局・日南支局では、国籍(帰化、国籍取得等)に関する業務は行っていないとされています(取扱事務一覧表では、各支局の国籍事務は「国籍選択のみ」)。国籍離脱届を考えている方は、まず戸籍課に予約して相談するのが確実です。

日本国籍を離脱した方は、離脱した日から60日までは、在留資格を持たずに日本に在留できます。60日を超えて在留しようとするときは、離脱した日から30日以内に在留資格の取得を申請しなければなりません(入管法第22条の2第1項・第2項)。法務省の「国籍離脱の届出」のページも、届出をして引き続き日本に在留するときは、日本国籍を離脱した日から30日以内に在留資格の取得の申請が必要になると案内しています。
入管庁の「在留資格取得許可申請」のページに示されている手続の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手続対象者 | 日本の国籍を離脱した者または出生その他の事由により上陸の手続を経ることなく日本に在留することとなる外国人で、60日間を超えて滞在しようとする方 |
| 申請期間 | 資格の取得の事由が生じた日から30日以内 |
| 申請先 | 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署 |
| 手数料 | かかりません |
| 標準処理期間 | 在留資格の取得の事由が生じた日から60日以内(即日処理となることもあります) |
| 申請する人 | 申請人本人(法定代理人、地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士などの取次者による提出も可) |
| オンライン申請 | できます |
💡 ポイント:国籍離脱届は「届出の時に」日本国籍を失う手続です。したがって、30日の申請期間は法務局に届け出たその日から進み始めると考えておくのが安全です。国籍離脱届を出す前に、どの在留資格を申請するか、必要な書類は何かを先に確認しておくと、期限に追われずに済みます。
申請する在留資格は、日本で行う活動や、日本での身分・地位によって決まります。入管庁のページでも、申請予定の在留資格ごとに申請書・資料が分かれています。例えば次のような考え方です。
どの在留資格に当たるかで、日本でできる仕事の範囲や、在留期間の更新の要否が変わります。ご自身の事情に合う在留資格がはっきりしない場合は、国籍離脱届を出す前に、出入国在留管理局や申請取次行政書士に相談しておくことをおすすめします。
在留資格取得許可申請の申請先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。福岡出入国在留管理局のページでは、宮崎県は、宮崎出張所(宮崎市)のほか、本局と熊本・大分・鹿児島の各出張所の管轄・分担区域に含まれています。国籍離脱届は宮崎地方法務局、在留資格の取得は出入国在留管理局と、窓口が2か所に分かれることに注意してください。
日本国籍の離脱は、ご本人の人生に関わる大きな選択です。手続に入る前に、次の点を確かめておきましょう。

A. 変わりません。法務省の国籍Q&Aは、日本国籍の離脱の効果は離脱者本人のみに生じ、その配偶者や子などの親族には及ばないと説明しています。
A. 日本国籍を離脱した日から30日以内です(入管法第22条の2第2項)。在留資格を持たずに日本に在留できるのは、離脱した日から60日までです(同条第1項)。国籍離脱届は届出の時に効力が生じるため、届出の日を基準に考えるのが安全です。
A. 法務省の案内では国籍離脱届の手数料はかからず、入管庁の案内では在留資格取得許可申請の手数料もかかりません。ただし、必要書類の取得費用(戸籍謄本、外国の証明書など)は別にかかります。
A. 国籍離脱届は宮崎地方法務局 戸籍課(宮崎市別府町)で、相談は予約制です。在留資格取得許可申請は、住居地を管轄する出入国在留管理局(宮崎県は宮崎出張所など)に申請します。
A. 国籍離脱届で日本国籍を離脱した方が再び日本国籍を取得するには、原則として帰化許可申請になります。日本の国籍を失った方(日本に帰化した後に日本の国籍を失った方を除く)で日本に住所がある方は、国籍法第8条第3号により、住所・能力・生計の条件を備えないときでも帰化が許可されることがありますが、許可されるかどうかは個別の審査によります。
日本国籍の離脱は、法務局・地方法務局への国籍離脱届で行い、届出の時に効力が生じます。日本に住み続ける方は、離脱した日から30日以内に出入国在留管理局へ在留資格取得許可申請が必要です。国籍の手続は法務局、在留資格の手続は入管と窓口が分かれるため、国籍離脱届を出す前に、申請する在留資格と必要書類を確認しておくことが、期限に間に合わせるいちばんの近道です。
💴 費用の目安:在留資格取得許可申請(出生・国籍離脱等)のサポート料金は「料金表」に掲載しています。初回のご相談は無料です。
当事務所は、宮崎県宮崎市の行政書士法人として、日本国籍を離脱した方の在留資格の取得をお手伝いしています。
在留資格の認定・変更・更新など、オンラインで申請できる手続は、全国の方からご依頼をお受けしています。面談はオンライン(Google Meet・LINE)、書類のやり取りは郵送・データで行い、ご来所は不要です。永住許可申請・帰化許可申請は窓口での手続となるため、宮崎県内にお住まいの方に限ります。在留カードは、手続の内容やお急ぎの度合いにより、お住まいの地域の入管の窓口で受け取っていただく場合があります。在留期限の最終日はオンライン申請ができないため、お早めにご相談ください。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や運用は今後変更される可能性があります。外国の国籍の取得・離脱の手続は、その国の法令によります。実際の届出・申請にあたっては、法務省・出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市