
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カードと特定在留カードでは、それまで券面に印字されていた「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が記載されなくなりました。券面に残るのは「在留期間の満了日」であり、「1年」「3年」「5年」といった期間そのものは券面から読み取れません。出入国在留管理庁は2026年8月19日、在留カード等読取アプリケーションの新しいバージョンをリリースし、このうち3項目をICチップから表示できるようにしました。この記事では、何が消えて何が残ったのか、どうすれば確認できるのかを、入管庁の一次情報にもとづいて、外国人ご本人と企業の人事ご担当者の両方の視点で行政書士が整理します。
カードそのものの制度については「特定在留カードと第二世代在留カードの違い」で、紛失・汚損時の手続については「在留カードを紛失したら?再交付を解説」で、それぞれ詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カード・特定在留カードでは、次の4項目が券面に記載されなくなりました。
これらの項目は、券面から消えただけで、在留カード内のICチップには記録されています。出入国在留管理庁は、ICチップに券面記載事項が記録されるため、同庁の提供する「在留カード等読取アプリケーション」を使用してICチップ内の記録を確認することが可能である、としています。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 券面で確認できる | 氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間の満了日、在留カードの番号、在留カードの有効期限満了日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときはその旨 |
| 券面で確認できない (ICチップに記録) | 在留期間、許可の種類、許可年月日、交付年月日 |
💡 以前の様式の在留カードは引き続き有効です。 出入国在留管理庁は、新様式の交付開始後も以前の様式の在留カード等は引き続き有効であり、特定在留カード等または新様式へ切り替える必要はないとしています。手元のカードが旧様式でも、慌てて手続をする必要はありません。
読取アプリは当初、新様式カードを読み取っても、券面に記載されない4項目を表示することができませんでした。出入国在留管理庁は改修作業を終え、2026年(令和8年)8月19日にリリースされるバージョンから「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が表示されるようになったと公表しています。
ただし、「交付年月日」については、本改修後であっても確認することができません。この点は入管庁がFAQで明記しています。
券面から消えた4項目のうち、アプリで確認できるようになったのは3項目。「交付年月日」は改修後も確認できません。
| 版 | バージョン | 利用環境 |
|---|---|---|
| Windows 版 | ver1.8.0 | Windows 11(ARM、x64 対応) |
| Mac 版 | ver1.7.0 | macOS 13 以降 |
| Android 版 | ver1.11.0 | Android 12.0 以降 |
| iOS 版 | ver1.10.0 | iOS 16.0 以降 |
入管庁は、古いバージョンのまま利用した場合、正常に動作しないことがあると案内しています。利用前に最新のバージョンであるかをご確認ください。
実務で混乱しやすいのが、この2つの違いです。
新様式のカードで券面に残るのは満了日だけです。満了日が分かれば更新の時期は判断できますので、日常的な在留管理に支障が出るわけではありません。一方で、「今回は何年の許可が出たのか」は券面からは分かりません。前回が1年で今回が3年になったのか、その逆なのかといった経過は、ICチップを読み取らなければ確認できない、ということです。
在留カード等読取アプリケーションは、在留カード・特別永住者証明書のICチップ内に保存されている身分事項や顔写真等の情報を読み取るためのものです。入管庁は、読み取った情報と券面に記載された情報を見比べることにより、容易に偽変造の有無を確認することができるとしており、偽変造在留カード対策の強化を目的にホームページ等で無料配布しています。
| 利用環境 | 必要な機器 |
|---|---|
| パソコンを利用する場合 | 非接触型ICカードリーダライタ(拡張APDU対応機種限定) |
| スマートフォンを利用する場合 | NFC Type B 対応端末 |
拡張APDUに対応していないカードリーダでは読み取ることができません。購入前に仕様をご確認ください。なお、iPadには対応していません。入管庁は、iPadは汎用性のあるNFCインターフェースがないなど本アプリケーションを有効に活用できる環境にないため利用できない、と説明しています。
出入国在留管理庁は、このアプリについて「法令で定めるもの以外に雇用契約や諸取引などの場で、身分確認を行う必要がある場合に利用するもの」と位置づけたうえで、利用の際には他の身分証明書と同様、本人の同意を得た上で在留カード等の提示を受けることが必要としています。無断で読み取ることは想定されていません。
プライバシーポリシー上、アプリは在留カード等から読み取った氏名・生年月日・性別・国籍・地域・住居地・在留資格・在留期間・在留カード番号・顔画像等の情報を、出入国在留管理庁または第三者に送信しません。読み取った内容が中央に蓄積される仕組みではない、という点は、ご本人に説明するときの安心材料になります。

ここは実務上とても重要な区別です。読取アプリと失効情報照会は、確認している対象が違います。
| 手段 | 確認できること |
|---|---|
| 在留カード等読取アプリケーション | カードが真正なものであることの認証と、ICチップの記録にもとづく券面内容の表示(=券面情報の確認) |
| 在留カード等番号失効情報照会 | その在留カード番号が失効していないか(=有効性の確認) |
入管庁は、アプリを利用することで券面情報の確認をより正確に行うことができ、失効情報照会を行うことで在留カードの有効性を確認できるとしたうえで、アプリを利用する場合は併せて失効情報照会も利用するよう求めています。カード自体が本物であっても、すでに失効している可能性があるためです。
読取アプリで「本物かどうか」を、失効情報照会で「まだ有効か」を確認する。この2段構えが基本です。
2025年(令和7年)11月14日以降は、在留カード等読取アプリから失効情報照会が利用できるようになりました。また、失効情報照会については、2026年1月5日からURLが変更されている点にもご注意ください。ブックマークが古いままの企業は、この機会に更新しておくことをおすすめします。
特定在留カードはマイナンバーカードとしての機能を有することから、デジタル庁が配布しているマイナンバーカード用の読取アプリ「対面確認アプリ」においても、在留期間等の情報を読み取ることが可能です。ただし、入管庁の案内時点ではiOS版のみとされています。
企業にとっての実務上の影響ははっきりしています。券面を目視するだけでは、これまで見えていた情報の一部が見えなくなったということです。
もっとも、就労可否の判断に直結する在留資格・在留期間の満了日・就労制限の有無・資格外活動許可の有無は券面に残っています。日々の在留管理の基本は、従来どおり券面の確認で行えます。そのうえで、許可の種類や在留期間の長さまで確認したい場合には、ICチップの読み取りが必要になる、という整理になります。
⚠️ 「知らなかった」では済まない構造です。 不法就労助長罪は、外国人が就労資格を持たないことを知らなかった場合であっても、そのことについて過失がなかったときを除き、処罰を免れないものとされています。確認したという事実と、その手順を記録に残しておくことが、企業を守る現実的な備えになります。
入管庁のFAQでは、読み取りに失敗する場合の確認点として、カードリーダライタが正しく接続されているか、ドライバが正しくインストールされているか、インストール後に端末を再起動したか、といった点が挙げられています。カードリーダを置く机などの材質が金属の場合、正常に作動しないことがあるという注意も示されています。
これらの対応を行っても読み取れない場合や、画面に表示された内容と券面の表記が異なる場合(券面と画像の顔写真が違うなど)は、ICチップの故障のほかカードの偽変造が疑われるため、最寄りの地方出入国在留管理官署へお問い合わせください。

新しいカードを受け取った方にとっては、「自分の在留期間がカードに書かれていない」という点が一番の戸惑いだと思います。次の4点を押さえておけば十分です。
2026年(令和8年)6月14日以降に交付される在留カードについては、次の変更もあわせて行われています。
| 項目 | 2026年6月13日までの交付 | 2026年6月14日以降の交付 |
|---|---|---|
| 有効期間 (永住者・高度専門職2号など在留期間が無期限の方) | 交付の日後7年(16歳未満の者は16歳の誕生日の前日まで) | 交付の日後の10回目(18歳未満の方は5回目)の誕生日まで |
| 券面の顔写真 | 16歳未満の者は表示しない | 1歳以上16歳未満の方についても表示する |
なお、在留期間に定めのある中長期在留者に対して交付される在留カードの有効期間は、引き続き在留期限までとなります。この点は変わっていません。
Q1. 手元の在留カードは古い様式ですが、新しいものに交換しなければいけませんか?
A. その必要はありません。出入国在留管理庁は、以前の様式の在留カード等は新様式の在留カード等の交付開始後も引き続き有効であり、特定在留カード等または新様式の在留カード等に切り替える必要はない、としています。
Q2. 読取アプリを入れれば、交付年月日も確認できますか?
A. 確認できません。入管庁は、2026年8月19日の改修後であっても「交付年月日」については確認をすることができない、と明記しています。
Q3. パソコンで使いたいのですが、手持ちのカードリーダで読めますか?
A. 非接触型ICカードリーダライタのうち拡張APDU対応機種に限られます。対応していない機種では読み取れませんので、購入前に仕様をご確認ください。
Q4. iPadで使えますか?
A. 対応していません。入管庁は、iPadは汎用性のあるNFCインターフェースがないなど、本アプリケーションを有効に活用できる環境にないため利用できない、としています。
Q5. 読取アプリだけで、そのカードが有効だと判断してよいですか?
A. 読取アプリはカードの真正性の認証と券面情報の表示を行うものです。カード番号が失効していないかは失効情報照会で確認する必要があります。入管庁もアプリと失効情報照会の併用を求めています。
Q6. 従業員に無断で在留カードを読み取ってもよいですか?
A. 想定されていません。入管庁は、他の身分証明書と同様、本人の同意を得た上で在留カード等の提示を受けることが必要としています。確認の目的をご本人に説明したうえで、提示を受けてください。
Q7. 特定在留カードを持っています。入管庁のアプリ以外に方法はありますか?
A. 特定在留カードはマイナンバーカードとしての機能を有するため、デジタル庁が配布する「対面確認アプリ」でも在留期間等の情報を読み取ることが可能です。ただし、入管庁の案内時点ではiOS版のみとされています。
2026年6月14日以降の新様式在留カード・特定在留カードでは、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が券面から消え、ICチップに記録される形になりました。そして2026年8月19日の読取アプリ改修により、このうち3項目はアプリで表示できるようになりました(交付年月日を除きます)。
企業の人事ご担当者は、券面の目視 + 読取アプリ + 失効情報照会という3点セットを採用フローに組み込み、確認した記録を残しておくことをおすすめします。外国人ご本人は、旧様式のカードならこれまでどおりで問題なく、新様式でも満了日は券面で確認できることを押さえておけば、日常的に困ることはありません。
アプリは入管庁から無料で配布されています。すでに導入済みの企業も、最新バージョンに更新されているかを一度ご確認ください。バージョンが古いままでは、今回追加された3項目が表示されません。
当事務所では、在留カードの確認実務をはじめ、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
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本記事は2026年8月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や運用は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市