
出入国在留管理庁は2026年10月16日、「本邦における不法残留者数について(令和8年7月1日現在)」を公表しました。2026年7月1日現在の不法残留者数は6万5,229人で、2026年1月1日の6万8,488人から3,259人(4.8%)減少しています。
公表資料の表では、平成9年から令和7年までは1月1日現在の数が示されていましたが、令和8年は1月1日と7月1日の2時点の数が示されています。本記事では、公表資料の表から読み取れる国籍・在留資格別の変化を整理したうえで、外国人ご本人が在留期限を過ぎないための仕組みと、企業の人事ご担当者が在留カードを確認するときの注意点(2026年6月14日に交付が始まった新様式の在留カードを含む)を解説します。
公表資料の第1表・第3表から、直近の推移を並べると次のとおりです。
| 時点 | 不法残留者数 |
|---|---|
| 2023年1月1日 | 7万491人 |
| 2024年1月1日 | 7万9,113人 |
| 2025年1月1日 | 7万4,863人 |
| 2026年1月1日 | 6万8,488人 |
| 2026年7月1日 | 6万5,229人 |
2024年1月1日の7万9,113人から見ると、2年半で約1万3,900人減った計算です(当事務所の計算)。
半年間の動きを分けると、2026年1月1日の6万8,488人のうち9,279人が不法残留の状態でなくなり(被送還者、出国命令による出国者、在留特別許可を受けた者など)、5万9,209人が引き続き不法残留、これに新規の6,020人が加わって6万5,229人となっています。
2026年8月31日に公表された「不法滞在者ゼロプラン」の解説の全体像は、当事務所の記事「不法滞在者ゼロプラン解説公表|摘発強化と企業対応」で解説しています。
| 順位 | 国籍・地域 | 2026年7月1日 | 2026年1月1日からの増減 |
|---|---|---|---|
| 1 | タイ | 1万260人 | 647人減 |
| 2 | ベトナム | 1万135人 | 1,466人減 |
| 3 | 韓国 | 9,759人 | 261人減 |
| 4 | 中国 | 5,312人 | 515人減 |
| 5 | フィリピン | 4,173人 | 220人減 |
| 6 | インドネシア | 4,077人 | 171人減 |
| 7 | 台湾 | 2,424人 | 177人減 |
| 8 | スリランカ | 2,378人 | 287人増 |
| 9 | トルコ | 1,212人 | 16人減 |
| 10 | カンボジア | 938人 | 106人減 |
上位3か国・地域(タイ・ベトナム・韓国)は、それぞれ全体の約15%を占めます。ベトナムは半年で1,466人と最も大きく減り、順位が入れ替わりました。
不法残留となった時点の在留資格をみると、タイ(9,269人)や韓国(9,301人)は大半が短期滞在です。一方、ベトナムは技能実習(5,193人)が最も多く、国籍によって背景が大きく異なります(第2表)。
| 在留資格(不法残留となった時点) | 2026年7月1日 | 構成比 | 2026年1月1日からの増減 |
|---|---|---|---|
| 短期滞在 | 3万9,180人 | 60.1% | 2,427人減(5.8%減) |
| 技能実習 | 7,928人 | 12.2% | 1,395人減(15.0%減) |
| 特定活動 | 7,661人 | 11.7% | 355人増(4.9%増) |
| 留学 | 2,435人 | 3.7% | 262人増(12.1%増) |
| 日本人の配偶者等 | 1,695人 | 2.6% | 29人減(1.7%減) |
| その他 | 6,330人 | 9.7% | 25人減(0.4%減) |
短期滞在が約6割を占める構造は変わっていません。技能実習は2024年1月1日の1万1,210人から2026年7月1日の7,928人まで減っています。
なお、この表の「在留資格」は不法残留となった時点に持っていた在留資格です。いまその在留資格で働いている人の数ではない点に注意してください。
2026年1月1日以降に新たに判明し、7月1日現在も不法残留している「新規不法残留者」は6,020人で、不法残留者全体の9.2%にあたります。
| 在留資格(不法残留となった時点) | 新規不法残留者 | その在留資格の不法残留者に占める割合 |
|---|---|---|
| 短期滞在 | 1,862人 | 4.8% |
| 特定活動 | 1,707人 | 22.3% |
| 技能実習 | 746人 | 9.4% |
| 留学 | 646人 | 26.5% |
| 出国期間 | 254人 | 17.7% |
| その他 | 805人 | 12.2% |
国籍・地域別の新規不法残留者は、ベトナム(1,402人)が最も多く、次いでタイ(1,049人)、インドネシア(611人)、スリランカ(600人)、中国(343人)の順です(第4表)。
この表の「その他」(6,587人のうち805人)は日本人の配偶者等を含み、出国期間を含まないため、§4の表の「その他」とは範囲が違います。
表の「出国期間」は、在留資格を取り消された人に、出国のために指定された期間(入管法第22条の4第7項・30日を超えない範囲)のことです。この期間を過ぎて残っている人も不法残留として数えられます(2026年7月1日現在で1,438人)。

在留期間の更新や変更を受けないまま在留期間を過ぎて日本に残ることは、退去強制の対象(入管法第24条第4号ロ)であるとともに、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方の対象です(同法第70条第1項第5号)。「うっかり」で済まない点を、まず押さえてください。
在留期間の満了日までに、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請をしていれば、満了日までに結果が出なくても、結果が出る時か、満了日から2か月を経過する日が終わる時の、いずれか早い時まで、これまでの在留資格のまま日本にいることができます(入管法第20条第6項・第21条第4項。いわゆる特例期間)。30日以下の在留期間の方は対象外です。
大切なのは、満了日までに申請していることです。満了日を過ぎてからでは、特例期間はありません。更新はいつから申請できるかは、当事務所の記事「【2026年】在留期間の更新はいつ申請?45日前が目安」をご覧ください。
在留資格を取り消されたときは、偽りの手段で上陸許可などを受けていた場合などを除き、30日を超えない範囲で出国のための期間が指定されます(入管法第22条の4第7項)。この期間を過ぎて残ると、不法残留になります(同法第24条第2号の4)。
すでに在留期限を過ぎてしまい、帰国を希望する場合には、出国命令という制度があります。入管庁の案内では、次のすべてを満たす人が対象です(入管法第24条の3)。
出国命令では、15日を超えない範囲で出国期限が定められます(入管法第55条の85)。出国命令で出国した人が日本に入国できない期間は、自ら出頭した場合は原則1年です。違反調査の開始後に出国の意思を表明した場合は、短期滞在で入国しようとするときは原則5年、それ以外は原則1年です。退去強制の場合は、原則5年(事情によっては10年)入国できません。
在留期限を過ぎてしまったときに取れる選択肢は、事情によって大きく異なります。在留特別許可を含め、一般論で結論を出せるものではないため、先延ばしにせず、早めに専門家や地方出入国在留管理局へご相談ください。
外国人に不法就労活動をさせた事業主は、不法就労助長罪(入管法第73条の2)の対象です。現在の法定刑は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(または併科)ですが、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(または併科)に引き上げられます(令和6年法律第60号)。また、その外国人が不法残留者であることなどを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません(過失がないときを除く・同条第2項)。
確認の際は、次の点を押さえてください。
転職者の採用で就労できる活動を確かめる方法は、当事務所の記事「就労資格証明書とは|転職者の採用と2027年の罰則強化」で解説しています。

今回の公表資料には、都道府県別の不法残留者数は含まれていません。一方、宮崎県の在留外国人は2026年6月末で1万3,834人、そのうち技能実習と特定技能で約6割を占め、全国(約2割)より、技能実習・特定技能で働く方の割合が大きい県です(当事務所の記事「宮崎の在留外国人1万3,834人|増加率は全国2位」)。
全国では、技能実習から不法残留となった人が半年で746人新たに判明しています。技能実習生や特定技能外国人を受け入れている県内の事業所では、次の2点を日常の管理に組み込んでおくことが大切です。
2027年4月1日からは育成就労制度が始まり、不法就労助長罪の法定刑も引き上げられます。制度の切り替わりの時期だからこそ、在留カードの確認手順を社内で決めておくと安心です。
公表資料の表では、平成9年から令和7年までは1月1日現在の数が示されており、令和8年は1月1日現在と7月1日現在の2時点が示されています。7月1日現在の数は2026年10月16日に、出入国在留管理庁のプレスリリースとして公表されました。
満了日までに更新(または変更)の申請をしていれば、結果が出る時か満了日から2か月を経過する日が終わる時のいずれか早い時まで、これまでの在留資格のまま在留できます(特例期間)。満了日を過ぎてから申請した場合は対象になりません(在留期間が30日以下の方は、特例期間の対象外です)。
2026年10月16日の公表資料には、都道府県別の数は含まれていません。国籍・地域別と在留資格別の数が示されています。
帰国を希望し、要件を満たす場合は、自ら出頭して出国命令の手続をとる方法があります。自ら出頭して出国命令で出国した場合の上陸拒否期間は原則1年で、退去強制(原則5年)より短くなります。日本での在留を希望する場合を含め、取れる選択肢は事情によって異なるため、早めにご相談ください。
券面の確認だけでは偽造・変造を見抜けないことがあります。入管庁は、在留カード等読取アプリケーションでICチップの情報を確認し、あわせて失効情報照会を利用するよう案内しています。新様式の在留カードは券面に在留期間が記載されないため、アプリでの確認が特に大切です。
2026年7月1日現在の不法残留者数は6万5,229人で、半年で4.8%減りました。タイが1位になり、技能実習は15.0%減った一方、特定活動と留学は増えています。外国人ご本人は、満了日までに更新・変更の申請をすること(特例期間)が最大の予防策です。企業は、新様式の在留カードは券面に在留期間が書かれていないことを前提に、読取アプリと失効情報照会で確認する手順を社内に置いておきましょう。
💴 在留期間の更新・在留資格の変更のサポート料金は「料金表」に掲載しています。初回相談は60分まで無料です。
当事務所は、宮崎県宮崎市の行政書士法人として、外国籍の社員の在留期限の管理と在留手続をお手伝いしています。
在留資格の認定・変更・更新など、オンラインで申請できる手続は、全国の方からご依頼をお受けしています。面談はオンライン(Google Meet・LINE)、書類のやり取りは郵送・データで行い、ご来所は不要です。永住許可申請・帰化許可申請は窓口での手続となるため、宮崎県内にお住まいの方に限ります。在留カードは、手続の内容やお急ぎの度合いにより、お住まいの地域の入管の窓口で受け取っていただく場合があります。在留期限の最終日はオンライン申請ができないため、お早めにご相談ください。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や施行時期は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市