
2026年10月19日、法務省で第15回「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」が開かれ、病院や介護施設などの給食(医療・福祉施設給食業等)を、外食業分野から飲食料品製造業分野へ移して受け入れる案が示されました。外食業分野では、2026年4月13日から特定技能1号の在留資格認定証明書の交付(海外からの新規受入れ)が止まっており、ほかの在留資格からの変更も、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの移行などを除いて原則不許可となっています。案は、給食の新規申請分を令和9年度(2027年度)から、緊急的措置として飲食料品製造業分野で受け入れるという内容です。
まだ「案」の段階です。この記事では、会議資料をもとに、何がどう変わる案なのか、決定までの流れ、そして給食を担う会社や施設がいま確認しておきたい点を整理します。
会議資料「外食業分野における医療・福祉施設給食業等の飲食料品製造業分野での受入れ(案)について」(資料2-2)と、改正案の概要(資料1-1)の要点は次のとおりです。
| 項目 | 案の内容 |
|---|---|
| 対象となる業務 | 医療・福祉施設給食業等(食材の下処理、非加熱・加熱調理等の一連の製造を行い、医療・福祉施設給食等を製造する業務) |
| 移る先 | 外食業分野 → 飲食料品製造業分野のうち「飲食料品製造業」の業務区分 |
| いつから | 令和9年度の新規申請分から(緊急的措置) |
| 育成就労の「主たる技能」 | 外食業の主たる技能「医療・福祉施設給食製造」を削除し、飲食料品製造業の業務区分に追加(資料1-1) |
| 受け入れられる事業所(上乗せ告示) | 学校教育、その他の教育・学習支援業、医療業、社会保険・社会福祉・介護事業を営む事業所で、施設給食業を営む場合を追加 |
| 受入れ見込数 | 外食業分野・飲食料品製造業分野とも「変更なし」 |
ポイントは、外食業分野そのものの受入れを再開する案ではないことです。給食の業務を、食品工場などと同じ飲食料品製造業分野へ「付け替える」案です。外食業分野(飲食店など)の新規受入れについては、2026年9月9日の有識者会議の資料で、受入れ再開は「未定」とされています。
また「主たる技能」は、育成就労制度で計画的に育成する技能の単位として資料で説明されているものです。特定技能1号の技能水準については、同じ日の分野別運用方針案(資料1-2)で、飲食料品製造業分野の特定技能1号は「飲食料品製造業特定技能1号評価試験」か、育成就労終了時の試験(給食では「医療・福祉施設給食製造育成就労評価試験(専門級)」)のいずれかに合格した者とする案が示されています。日本語能力は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上とされています。いずれも案で、試験の実施時期や受験の案内はまだ示されていません。

資料2-2は、理由として次の点を挙げています。
資料には、人手不足の数字も示されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有効求人倍率:給食等調理員(学校給食を除く) | 7.37倍 |
| 有効求人倍率:学校給食調理員 | 2.36倍 |
| 有効求人倍率:飲食物調理従事者 | 2.15倍 |
| 有効求人倍率:職業計(参考) | 0.99倍 |
| 求人充足率(医療・福祉施設給食の受託事業者) | 33.0%(採用49,351人/募集149,418人) |
有効求人倍率は厚生労働省「職業安定業務統計」(令和8年5月)です。求人充足率は、日本メディカル給食協会の会員事業者へのアンケート(対象38社・有効回答34社・2026年8月7日〜26日)をもとにした推計で、欠員のない事業者はなく、約4割で多数の欠員が生じているとされています。1日3食・休日も提供する現場では、早朝や遅番の対応、厳しい衛生管理、地方勤務などで人が集まりにくい実態があると説明されています。
案は令和9年度からの話です。それまでの間は、現在の外食業分野の取扱いが続きます。入管庁が2026年10月19日に掲載した「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」は次のとおりです。
| 申請の種類 | 取扱い(2026年10月19日掲載) |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 受付日が2026年2月6日までの申請を順次交付。4月13日以降に受理した申請は原則不交付 |
| 変更:技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)から | 受付日が2026年9月30日までの申請を、審査が終わり次第許可 |
| 変更:特定活動(特定技能1号移行準備・外食業)から | 受付日が2026年9月30日までの申請を、審査が終わり次第許可 |
| 変更:特定技能1号(外食業)からの転職 | すべての申請を、審査が終わり次第許可 |
| 変更:上記以外の在留資格から | 受付日が4月12日までの申請。4月13日以降に受理した申請は原則不許可 |
| 在留期間更新許可申請 | 通常どおり審査が終わり次第許可 |
10月16日時点で申請中の在留資格認定証明書交付申請は、2月7日〜2月28日受理分が732件、3月受理分が1,825件、4月1日〜4月12日受理分が4,804件(速報値)とされています。また、技能実習から変更する場合は、就労開始予定日の2か月以上前に申請するよう求められています。
2026年9月9日の有識者会議の資料(分野別運用方針の改正に向けた作業開始について)では、令和8年度のスケジュールとして、11月の有識者会議を経て、12月に分野別運用方針を決定(関係閣僚会議・閣議決定)する予定が示されています。育成就労法令の施行は2027年4月1日です。
| 時期 | 予定・出来事 |
|---|---|
| 2026年4月13日 | 外食業分野で特定技能1号の在留資格認定証明書の交付停止措置を開始 |
| 2026年10月19日 | 第15回有識者会議で、給食の付け替え案を提示 |
| 2026年11月 | 有識者会議(分野別運用方針案について議論を継続)=予定 |
| 2026年12月 | 分野別運用方針の決定(関係閣僚会議・閣議決定)=予定 |
| 2027年4月1日 | 育成就労法令の施行・令和9年度の開始 |
一方で、次の点は今回の資料では示されていません。
案が12月にそのまま決まるとは限りません。決まったものとして採用計画を前倒しするのではなく、決定後の告示と試験の案内を待って動くのが安全です。

入管庁の統計(令和8年6月末)では、宮崎県の特定技能1号は3,346人で、そのうち飲食料品製造業分野が778人、外食業分野が218人です。給食の業務が飲食料品製造業分野へ移れば、県内でもすでに受入れの多い分野の中で扱われることになります。
宮崎県内の病院・介護施設の給食を受託している会社や、施設で直接給食を運営している法人にとっては、次の2点が実務の分かれ目になります。
県内の分野別の状況は「宮崎の特定技能は飲食料品製造業が2位|707人・協議会2〜3か月」と「宮崎の特定技能は外食業が4位|203人・新規は停止中」(いずれも令和7年12月末の数字)で扱っています。
育成就労制度への移行の全体像は「特定技能・育成就労に業務区分の追加案|12月決定予定」でも扱っています。
Q1. 外食業分野の受入れは再開されるのですか。
今回の案は、医療・福祉施設給食業等を飲食料品製造業分野へ移す案です。外食業分野(飲食店など)の新規受入れの再開ではありません。外食業分野の受入れ再開は、9月9日の有識者会議の資料で「未定」とされています。
Q2. いつから給食の業務で新しく受け入れられますか。
案では、令和9年度の新規申請分からとされています。分野別運用方針は2026年12月に決定される予定です。試験は分野別運用方針案(資料1-2)に示されていますが、受付の開始日や試験の実施時期は決定後に示される見込みです。
Q3. 学校給食センターや社員食堂も対象ですか。
資料の図では、学校給食センターやセントラルキッチンは、これまでも飲食料品製造業分野の事業所として示されています。案で追加されるのは、学校教育・医療業・社会福祉・介護事業などを営む事業所で施設給食業を営む場合です。社員食堂は、移行後の図でも外食業分野の事業所として示されています。個別の事業所が当たるかどうかは、決定後の告示で確認してください。
Q4. 受入れの人数の上限は変わりますか。
資料1-1では、外食業分野・飲食料品製造業分野とも、受入れ見込数は「変更なし」とされています。
10月19日の有識者会議で、病院・介護施設などの給食(医療・福祉施設給食業等)を、令和9年度の新規申請分から緊急的措置として飲食料品製造業分野で受け入れる案が示されました。外食業分野そのものの再開ではなく、給食の業務の「付け替え」です。決定は12月の予定で、受付開始日や試験の実施時期はまだ示されていません。令和9年度までは現在の外食業分野の取扱いが続くため、いまの採用・更新の管理を続けながら、決定内容を待つことが大切です。
💴 特定技能の在留資格の認定・変更・更新のサポート料金は「料金表」に掲載しています。初回相談はオンラインで60分まで無料です。
当事務所は、宮崎県宮崎市の行政書士法人として、特定技能・育成就労の受入れ体制の整理をお手伝いしています。
在留資格の認定・変更・更新など、オンラインで申請できる手続は、全国の方からご依頼をお受けしています。面談はオンライン(Google Meet・LINE)、書類のやり取りは郵送・データで行い、ご来所は不要です。永住許可申請・帰化許可申請は窓口での手続となるため、宮崎県内にお住まいの方に限ります。在留カードは、手続の内容やお急ぎの度合いにより、お住まいの地域の入管の窓口で受け取っていただく場合があります。在留期限の最終日はオンライン申請ができないため、お早めにご相談ください。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や施行時期は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市