
日本人や永住者と結婚して「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格で暮らしている方が、離婚や死別のあと、配偶者としての活動をしない状態が6か月以上続くと、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消しの対象になりえます。日本で暮らし続けたいときに変更先として検討されるのが、在留資格「定住者」(いわゆる定住者ビザ)です。出入国在留管理庁は、配偶者の在留資格から定住者への変更が認められた事例と認められなかった事例を公表しています。本記事では、定住者という在留資格のしくみ、離婚・死別後に何が起きるのか、公表事例から読み取れる確認点、申請の時期と2026年10月に改定された手数料までを、外国人ご本人と、雇用している企業の人事ご担当者の両方に向けて整理します。
定住者は、入管法の別表第二に置かれた「身分または地位」にもとづく在留資格の一つです。在留期間は、5年、3年、1年、6月、または法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。
入管法第19条が定める就労活動の制限は、別表第一の在留資格(技術・人文知識・国際業務、留学など)を対象としています。別表第二の定住者は対象外ですので、定住者になれば、仕事の種類に制限はありません。
法務大臣は「定住者告示」(平成2年法務省告示第132号)で、定住者に当たる典型的な地位を定めています。出入国在留管理庁の「定住者」のページでは、次の類型ごとに申請書類が案内されています。
| 出入国在留管理庁が案内している類型 | 内容 |
|---|---|
| 日系3世 | 申請人が日系3世である場合 |
| 日系2世の配偶者 | 申請人が日系2世の夫または妻である場合 |
| 日系3世の配偶者 | 申請人が日系3世の夫または妻である場合 |
| 扶養を受ける未成年で未婚の実子 | 永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・特別永住者の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子 |
| 6歳未満の養子 | 日本人・永住者・定住者・特別永住者の扶養を受けて生活する、6歳未満の養子 |
定住者告示の「未成年」は、民法の改正にあわせて2022年4月1日から18歳未満とされています。
離婚・死別した配偶者が定住者への変更を希望する場合は、この表の類型には当たりません。入管庁は、配偶者の在留資格から定住者への変更について、認められた事例と認められなかった事例を別に公表しています。この事例が、判断の傾向を知るための手がかりになります。
「日本人の配偶者等」(日本人の配偶者として在留する方)と「永住者の配偶者等」(永住者等の配偶者として在留する方)は、配偶者と離婚または死別したときは、その日から14日以内に入管へ届け出る必要があります(入管法第19条の16第3号)。届出の方法は、国際離婚の届出|準拠法・入管への14日届出・6か月ルールで詳しく説明しています。
入管法第22条の4第1項第7号は、日本人の配偶者等または永住者の配偶者等の在留資格で在留する方が、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留していることを、在留資格の取消し事由としています(正当な理由がある場合を除きます)。配偶者であると同時に、日本人の子として出生した方や日本人の特別養子である方(永住者の配偶者等では、永住者等の子として日本で生まれ、その後も日本に在留している方)は、この号の対象から除かれています。
一方で、入管法第22条の5は、この事由で在留資格を取り消そうとする場合には、在留資格変更許可申請または永住許可申請の機会を与えるよう配慮しなければならないと定めています。入管庁が定住者への変更の事例を公表しているのは、この規定の趣旨等をふまえ、運用の透明性を高めるためだと説明されています。
💡 離婚や死別のあとも在留期間が残っていれば、その在留カードはすぐに無効になるわけではありません。ただし、配偶者としての活動をしていない状態が続くほど、取消しの対象になりうる期間に近づきます。今後の在留をどうするかは、早めに考え始めることが大切です。

この事例は、2012年7月に法務省入国管理局(現在の出入国在留管理庁)が公表し、2017年3月に改訂したものです。認められた7件の要旨は次のとおりです。
| No. | 前配偶者 | 婚姻期間 | 離婚・死別 | 主な事情(要旨) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本人 | 約6年6か月 | 離婚 | 日本人の子の親権者で、監護・養育の実績あり。訪問介護員として一定の収入 |
| 2 | 日本人 | 約3年 | 事実上の破綻 | 家庭内暴力で婚姻が事実上破綻。離婚手続は未了だが別居し、双方が離婚の意思を明確にしていた。看護助手として一定の収入 |
| 3 | 特別永住者 | 約6年1か月 | 死別 | 金属溶接業の経営を続ける必要があり、一定の収入 |
| 4 | 日本人 | 約4年5か月 | 離婚 | 家庭内暴力が原因で離婚し、外傷後ストレス障害を発症。日本人の子の親権者で、監護・養育の実績あり |
| 5 | 日本人 | 約11年5か月(同居は通算約2年) | 事実上の破綻 | 家庭内暴力が原因で通算8年以上別居。配偶者が連絡を拒否し、離婚手続のため弁護士に相談 |
| 6 | 永住者 | 約6年 | 事実上の破綻 | 家庭内暴力が原因で3年以上別居。親権に争いがあり離婚調停不成立、離婚訴訟を準備中 |
| 7 | 日本人 | 約7年9か月 | 離婚 | 親権は前配偶者だが、日本人の子へ毎月3万円の養育費を払い続けている。会社員として一定の収入 |
| No. | 前配偶者 | 婚姻期間 | 離婚・死別 | 主な事情(要旨) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本人 | 約3年 | 離婚 | 詐欺と傷害の罪で有罪判決。親権は前配偶者 |
| 2 | 永住者 | 約3年11か月 | 事実上の破綻 | 単身で約1年9か月、日本の外に滞在 |
| 3 | 日本人 | 約3年10か月 | 死亡 | 単身で約1年6か月、日本の外に滞在。日本にいる間も前配偶者と別居し、風俗店で稼働 |
| 4 | 日本人 | 約1年11か月 | 離婚 | 家庭内暴力の被害を申し立てた2回目の離婚。初回の離婚時に保護を求めたが、間もなく同じ相手と再婚 |
| 5 | 日本人 | 約3か月 | 離婚 | 家庭内暴力の被害を申し立てたが、婚姻同居期間は3か月未満 |
| 6 | 日本人 | 約2年1か月 | 離婚 | 家庭内暴力の被害を申し立てたが、日本語学校に通うとして別居した後、風俗店に在籍。婚姻の実体があったといえるのは約1年3か月 |
公表資料は、在留資格の変更は「変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に限り許可されるもので(入管法第20条第3項)、その判断は活動・在留の状況・在留の必要性などを総合的にみて行うため、事例に似ている場合でも結論が異なることがあると明記しています。そのうえで、事例に並んでいる事情を整理すると、次の点が繰り返し現れます。
入管法第20条第3項は、申請人が提出した文書により変更の相当性を判断すると定めています。こうした事情は、書類で裏づけて説明することになります。たとえば子の監護・養育や養育費の支払い、家庭内暴力の経緯、収入や仕事の状況などです。どの資料が必要かは事情によって変わるため、手元にある記録を早めに集めておくと準備が進めやすくなります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 入管法第20条 |
| 申請期間 | 在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前 |
| 申請先 | 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(宮崎県にお住まいの方は福岡出入国在留管理局 宮崎出張所) |
| オンライン申請 | できる |
| 標準処理期間 | 1か月〜2か月 |
| 不服申立て | なし |
在留期間の満了日までに申請し、満了日までに結果が出ない場合は、処分がされる時か、満了日から2か月を経過する日が終了する時の、いずれか早い時まで、それまでの在留資格のまま在留できます(入管法第20条第6項)。審査にかかる期間の目安は、在留審査処理期間|2026年最新の平均日数と注意点も参考にしてください。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額(窓口6,000円)です。オンライン申請の場合は、手数料をコンビニ決済または銀行決済で納め、別に決済手数料がかかります。改定の全体像は在留手数料10月1日改定|9月30日までは旧料金にまとめています。
Q1. 離婚したら、すぐに帰国しなければいけませんか。
A. 在留期間が残っていれば、在留カードが直ちに無効になるわけではありません。ただし、配偶者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留していると、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消しの対象になりえます。在留を続けたい場合は、在留資格の変更を検討してください。
Q2. 婚姻期間が3年に満たないと、定住者には変更できませんか。
A. 入管庁の公表資料には、婚姻期間の一律の基準は示されていません。公表された許可事例の婚姻期間は約3年から約11年5か月で、婚姻同居期間が3か月未満の事例は認められていません。公表資料によれば、判断は活動の内容・在留の状況・在留の必要性などを総合的にみて行われます。公表事例では、子との関係や生活の基盤も事情として記載されています。
Q3. 子どもの親権は元の配偶者にあります。それでも可能性はありますか。
A. 公表事例には、親権は前配偶者にあるものの、日本人の子へ毎月の養育費を払い続け、会社員として一定の収入がある方が認められた例があります(事例7)。支払いの記録を残しておくことが大切です。
Q4. 定住者になったら、仕事の制限はありますか。
A. 入管法第19条の就労活動の制限は別表第一の在留資格が対象で、別表第二の定住者は対象外です。仕事の種類に制限はありません。
Q5. 宮崎に住んでいます。どこに申請しますか。
A. 住居地を管轄する福岡出入国在留管理局 宮崎出張所が申請先です。在留資格変更許可申請はオンラインでも行えます。
Q6. 配偶者と死別した場合も、同じ手続ですか。
A. 死別の場合も14日以内の届出が必要で、定住者への変更を希望する場合は在留資格変更許可申請を行います。公表事例には、特別永住者の配偶者と死別し、事業を続ける必要があった方が認められた例(事例3)と、単身で長く日本の外にいた方が認められなかった例(不許可の事例3)があります。
日本人や永住者の配偶者として在留している方は、離婚・死別のあと、14日以内の届出と、6か月ルールという2つの期限に向き合うことになります。定住者への変更は入管庁が書類を案内している類型には当たらず、入管庁が公表した事例では、子との関係、婚姻の実体、生活の基盤、日本での在留の状況が判断の材料として並んでいます。事例に似ていても結論が異なることがあるため、ご自身の事情を記録で裏づけ、在留期間の満了日より前に申請することが大切です。
💴 在留資格変更許可申請のサポート料金は「料金表」に掲載しています。初回相談はオンラインで60分まで無料です。
当事務所は、宮崎県宮崎市の行政書士法人として、離婚・死別のあとの在留資格の変更と、外国人従業員を雇用する企業の確認手続をお手伝いしています。
在留資格の認定・変更・更新など、オンラインで申請できる手続は、全国の方からご依頼をお受けしています。面談はオンライン(Google Meet・LINE)、書類のやり取りは郵送・データで行い、ご来所は不要です。永住許可申請・帰化許可申請は窓口での手続となるため、宮崎県内にお住まいの方に限ります。在留カードは、手続の内容やお急ぎの度合いにより、お住まいの地域の入管の窓口で受け取っていただく場合があります。在留期限の最終日はオンライン申請ができないため、お早めにご相談ください。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
📞 電話でのご相談予約:0985-68-0851
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
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・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や施行時期は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:申請取次行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市