
在留資格(ビザ)の変更や在留期間の更新を申請したのに「不許可」になってしまった——。突然のことで、これからどうすればよいか分からず不安になる方は少なくありません。しかし、不許可は「日本にいられなくなる」とただちに決まったわけではなく、原因を正しく把握して備えれば、再申請で許可を得られるケースもあります。本記事では、在留資格が不許可になったときにまず確認すべきこと、不許可の主な理由(出入国在留管理庁が公表する事例)、そして再申請を成功に近づけるための進め方を、外国人ご本人と受入企業のご担当者の両方の視点から行政書士が整理します。
在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は、法務大臣が「在留を認めるに足りる相当の理由がある」と判断したときに限り許可されるしくみです(出入国管理及び難民認定法(以下、入管法))。出入国在留管理庁は、この判断について「申請した外国人の在留状況、在留の必要性、相当性等を総合的に勘案して行う」と説明しています。
つまり、許可・不許可は形式的な書類の有無だけで決まるものではなく、これまでの在留の実態や申請内容の合理性を含めて総合的に評価されます。ここを理解しておくと、不許可の理由と再申請の方向性が見えやすくなります。
📌 ポイント:在留資格の変更・更新の不許可は、行政不服審査法に基づく審査請求の対象外とされており、実務上は「再申請」で対応するのが一般的です。だからこそ、次の申請で何をどう補うかが重要になります。
出入国在留管理庁は、在留期間更新・在留資格変更の不許可事例を公表しています(令和2年9月公表)。個人が特定されない形で類型化されており、どのような点が問題視されるのかを知る手がかりになります。代表的な事例を整理すると、次のような類型に分かれます。
| 類型 | 公表事例に見られる内容 | 対象となった在留資格の例 |
|---|---|---|
| 在留状況の問題(法令違反) | 不法就労助長罪や薬物・関税法違反などで刑事処分を受けていた | 経営・管理/技術・人文知識・国際業務 |
| 資格外活動の無許可従事 | 許可を受けずに認められない範囲の就労をしていた | 留学 |
| 虚偽の申告 | 住居地など申請内容を事実と異なって申告していた | 定住者 |
| 活動の合理性・継続性の欠如 | 同一課程での再度の就学に合理的理由が認められない/転職後に活動を続ける前提を欠く | 留学/技術・人文知識・国際業務 |
| 定着性・必要性の不足 | 在留歴が短く、その在留資格を認めるだけの事情が十分でない | 定住者 |
このように、不許可の背景には「これまでの在留の実態」と「申請内容の説得力」の両面があります。書類の記載ミスのような形式的な問題だけでなく、活動実態や過去の経緯が評価される点に注意が必要です。
一方で、要件そのものは満たしているのに、立証(説明資料)が不足していたために不許可となる例もあります。この場合は、資料を丁寧に補って再申請することで結果が変わる可能性があります。

不許可の通知を受け取ったら、あわてて出国したり、逆に何もせず放置したりする前に、次の点を落ち着いて確認してください。
現在お持ちの在留カードの在留期限内であれば、その期限までは適法に在留できます。期限が近い、あるいは過ぎている場合には、出国の準備のために「特定活動」(在留期間30日など)が指定されることがあります。指定される内容は個々の状況によって異なるため、指定された在留資格・期間・活動内容を確認しましょう。
多くの出張所では、申請者本人が窓口で不許可の理由について説明を受けられる運用があります。対応の方法は出張所によって異なるため、通知に記載された連絡先や管轄の出入国在留管理官署にご確認ください。理由をあいまいなまま推測して再申請しても、同じ結果になりやすいため、原因の把握が再申請の出発点になります。宮崎出張所で説明を受けるときの予約・持ち物・聞いておきたいことは「不許可になった方へ|理由の説明で聞いておきたいこと」で解説しています。
理由が「立証不足」であれば、資料を補って再申請する余地があります。一方、在留状況そのものに大きな問題がある場合は、時間をかけて事情を整えたり、別の在留資格の可能性を検討したりする必要があります。判断に迷う場合は、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。
🧭 不許可は「終わり」ではなく「原因を知る機会」でもあります。まず在留期限を確認し、理由を具体的に把握することが、次の一歩を落ち着いて進めるための土台になります。
🏢 外国人従業員の在留期間更新や、内定者の在留資格変更が不許可になると、企業側にも実務的な影響が生じます。
人事ご担当者としては、不許可の連絡を受けたら「いつまで在留・就労が可能か」「不許可の理由は何か」を本人と一緒に早急に確認し、再申請の要否と準備物を整理することが、事業への影響を抑える近道になります。
不許可からの再申請は、次の流れで準備すると整理しやすくなります。ポイントは「前回と同じ内容では同じ結果になりやすい」ことを踏まえ、原因に応じて中身を補強することです。

⚠️ 再申請の回数について:再申請の回数そのものに法令上の一律の制限はありませんが、内容を変えずに繰り返しても結果が変わるとは限りません。限られた在留期間の中で確実性を高めるためにも、原因分析と立証の設計が重要です。
いいえ、不許可がただちに帰国を意味するわけではありません。在留期限内であればその期限までは在留できますし、状況に応じて出国準備のための在留資格が指定されることもあります。まずは在留期限と不許可理由を確認してください。
前回と同じ内容での再申請は、同じ結果になりやすい傾向があります。不許可の理由を踏まえ、不足していた立証を補ったうえで申請することが大切です。
多くの出張所で、本人が窓口で理由の説明を受けられる運用があります。対応方法は官署によって異なるため、通知や管轄官署にご確認ください。
雇用契約書や職務内容、決算・財務資料など、企業側でしか用意できない資料が立証の中心になる場合があります。本人と情報を共有し、再申請の資料準備に協力することが有効です。
はい。当事務所は宮崎市を拠点に、在留資格に関するご相談を承っています。不許可の原因分析、追加立証の設計、理由書の作成支援などを、ご本人・受入企業の事情に沿ってサポートします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
在留資格の不許可は、原因を正しく把握し、次の申請で何を補うかを設計できれば、道が開けるケースがあります。ポイントは、(1) 在留期限を確認して落ち着いて対応する、(2) 不許可の理由を具体的に把握する、(3) 前回と同じ内容の繰り返しではなく、原因に応じて立証を補強する——の3点です。限られた在留期間の中で最善を尽くすためにも、迷ったら早めに専門家へご相談ください。
当事務所では、最新の制度動向を踏まえた上で、外国人ご本人・受入企業様の双方からのご相談を承っています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
出す前に、一度見せてください。
ご自身で出入国在留管理局へ在留資格の申請をされる方へ。提出の前に、申請書と添付書類を確かめ、足りない書類や気をつける点をお伝えします。オンライン(Google Meet・20分程度)でも、LINE でもお受けします。
・対象:在留資格の認定・変更・更新の申請です(永住は、宮崎県内にお住まいの方に限ります)。帰化は対象外です。
・オンライン(Google Meet)は、1つの申請につき1回です。LINE でのお返事は、同じ申請について、提出の前までお受けします。
・LINE のお返事の目安は、原則2営業日以内です(土日・祝日はお休みです。混み合うときは、お返事が延びることがあります)。
・書類の写しは、LINE かメールでお送りください。在留カードは表面だけを、マイナンバーの面は送らないでください。
・お伝えするのは当事務所の意見です。許可を保証するものではなく、結果は出入国在留管理局の判断によります。
・お伝えするのは、足りない書類や気をつける点までです。申請書の作成や書き直しの代行、文案の作成はしません。許可の見込み(通るかどうか)もお伝えしません(当事務所にご依頼いただく場合は、セルフ準備コース・ライトプラン・スタンダードプランをご案内します)。
・事実と異なる内容の書類だと分かったとき、またはご本人(ご家族を含みます)の申請でないと分かったときは、チェックをお断りします。
本記事は2026年7月時点の公開情報に基づいて執筆しています。制度の詳細や運用は、個々の事情や今後の制度変更により異なる場合があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の公式情報、または当事務所までご確認ください。
本記事の執筆者:行政書士 中山 諭
行政書士法人みやざき国際法務事務所 代表
所在地:宮崎県宮崎市